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テーマ:私の読書(26)
カテゴリ:本
さっさと不況を終わらせろ ポール・クルーグマン 2012年
End this depression now! 2012年に書かれた本で、チャールズ・ファーガソンの「強欲の帝国」が事件簿なら、本書は、ケインズ経済学の学理による原因メカニズム解明とその処方箋だった。両書ともに惨状の責任は、歴代政権による金融規制緩和、銀行、証券、格付け会社等による屑証券詐欺にあるとすることは同じだった。 危機の発生メカニズム、不況の長期化理由、対策の機能しない理由がとてもわかり易い。一流の経済学者がこんなにわかり易く大衆向けの本を書いてくれる文化が羨ましい。退官して米国にいってしまう伊藤隆敏の日本財政「最後の選択」も日本の財政状態の評価と将来の課税強化の必要性検証がとてもわかり易かった。先端を走る経済学者が書くわかり易い啓蒙書は有難い。眉唾読書の中で光明を見るようだった。 日本の経済運営が、この内容そのものなので、政権はやりきってくれるのか期待と不安があるが、原理が多少わかって明るい気もしてきた。あまりにそのままなので、日本が実験に入ったと言われる理由がよく分った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 17, 2015 03:43:42 PM
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