今あるガンが消えていく食事
現在、済陽高穂(わたよう・たかほ)先生の「今あるガンが消えていく食事」を読んでいる。現代医学のがん集学的治療の三大療法(手術療法、がん化学療法、放射線療法)は莫大な研究費を投資している割には、必ずしも成功しているとは言えない。歴代の国立がんセンターの総長ががんでなくなっている現状である。そもそもがんを異物として、退治しようとする出発点自体が間違いであったということが言われている。がんというオデキが悪いのではなく、その背景にあるがん体質に問題があるという訳である。しかし、素人である患者が自分で食事療法を考える訳にもいかず、患者がまず頼るのは病院であり、がん専門医である。がんの食事療法が良いと思っても、がん専門医のほとんどは栄養について無知であり、理解を示さない。済陽先生は消化器外科のがん専門医でありながら、三大療法と食事療法の実践を提唱されている数少ないドクターである。抗がん剤の少量投与をしながら、野菜・果物を中心とした「済陽式ガンの食事療法」を指導、実践されている。がん予防、がん再発予防に現代医学の三大療法を利用しながら、食事療法を根付かせるためのスタートである。こういった実績により、医学会でも医師の間で食事療法の重要性が啓蒙されていくのを期待したい。