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水彩画紀行  スペイン巡礼路 ポルトガル 上海、蘇州   カスピ海沿岸からアンデスの国々まで

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カテゴリ:水彩画紀行
4月の久しぶりの日本の休暇は、桜、さくら、サクラ三昧。

チリに戻る21日の前日まで、高遠の桜を見に行っていた。

今日の日記は、昔の高遠日記を引用して、再編成したもの。



遠くから見ると桜の城と言うにふさわしい高遠城址。

小高い丘の斜面まで一面に埋め尽くしていた。

SANY2538.JPG

この高遠城址には、悲しい物語が残っている。

ある夜、この武田の最後の砦、高遠城に、一族郎党が集まって、

織田軍の侵攻にどう対処するか開戦前夜の決断を迫られていた。

和睦を勧めた使者の耳を切って追い返した武田の若い城主の判断は

この城を守っていた全ての人に、いさぎよいと言うのも辛いほどの

悲惨な死に方を選ばせてしまった。

SANY2493.JPG

死を覚悟した武田方の部将は、まず我が子を刺し殺してから

殺到する織田軍へ切り込んだ。

刃物で切られ槍で突かれて死んでいくというのは、

覚悟の上とは言えども、痛く辛く悲惨なことだったろう。

しかも男だけではなかった。

武将の妻や娘達すらも刀を振るって奮戦したという。




SANY2518.JPG



中でも、諏訪勝右衛門の妻「はな」は、

薙刀をひっさげて織田軍に斬り込み

「ここに諏訪勝右衛門女房、刀を抜きて切って廻し、

比類なき働き、前代未聞の次第なり」と。

後に語り種になるという働きぶりだったと言う。

刃物の中に飛び込んでいって痛み死ぬ苦しみのいかばかりか。

わが身が、そうなったことを思うだけでも、耐え難い。



   仰ぎ見る桜消え行く最期かな


 美しい枝垂れ桜がおおう城址の見張りやぐら。

 ここにも、織田軍は情け容赦なく進入し襲ってきたろう。

SANY2529.JPG

その夜は、お誘いをうけたひまじんさろんさんの高遠の山荘に一泊。


持参した‘越の寒梅‘が半分、空になるほど、

素敵な囲炉裏を囲んで伊那名物の馬刺し、

鱒の味噌焼き、山菜をご馳走になった。


SANY2547.JPG

山荘のあるじは、出版社の社長でかつ川柳界で一目置かれる方で、

川柳界の与謝野晶子と言われた時実新子さんも伊那にこられたそう。

豊富な経験から、散文家でもあり、伊那の賢人、思索家といった人。


囲炉裏談義は、いつしか俳句と川柳の違いは何かということに。

川柳といっても、駄洒落ばかりと思っていたのと大違い。

季語なしで自由に人生の哀歓や心象を歌う真面目な世界があった。


「わが胸で伐採音の絶え間なし」 時実新子

17才で顔も知らぬ人へ嫁がされ、川柳で目覚めて

自作川柳集「有夫恋」そのままに、恋を成就された方。


SANY2493.JPG


季語がないゆえに、ひねりをきかさないと駄文になる川柳は

それだけ言葉に鋭さが求められ、厳しさがあると知った。


俳句なら  「君と逢わむ 桜散り敷く 夢の中」  俊介

川柳なら、 「君と逢う 魑魅魍魎の 夢を追い」  かな 



水彩+パステル画 「高遠城址」


高遠城址


翌日伊那谷の駒ヶ根の里には、一面に水仙が咲き乱れていた。




高遠城址で亡くなった多くの人々のことを考えていた私には、

いさぎよく悲しみの中で散った魂が集っているように思えた。



水仙




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Last updated  2008/06/16 01:47:27 PM
コメント(19) | コメントを書く
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Re:桜の高遠城址(04/27)   小林とむぼ さん
お返事まだ書けないままでごめんなさい。
明日、私も、伊那、駒ケ根地方に出掛けます。
私にとっては、第二の故郷の様に懐かしい土地です。

桜、美しいでしょう?
まだ少し残っていると良いな。


(2008/04/28 06:03:25 AM)

Re[1]:桜の高遠城址(04/27)   水彩画人 俊介 さん
小林とむぼさん
>お返事まだ書けないままでごめんなさい。
>明日、私も、伊那、駒ケ根地方に出掛けます。
>私にとっては、第二の故郷の様に懐かしい土地です。

>桜、美しいでしょう?
>まだ少し残っていると良いな。

高遠は、少し散りはじめでしたが、駒ヶ根の光前寺は、まだ盛り。

桜のもっとも、美しいのは、風に載っていく散り際。

山峡を群れをなして桜の花が、流れていくのをみたことがありますが、

それは、夢のように、美しい風の流れでした。

駒ヶ根では、そんな散り際の美しさを見れるでしょう。

いつか、良かったら、散り行く桜の精を人形にしてください。

(2008/04/28 07:18:43 AM)

Re:桜の高遠城址(04/27)   ピカさん65 さん
日本に戻っていらっしゃっていたのですね。久しぶりの桜の味はいかがでしたか。また日本の良さに感動しましたか。
お元気そうでなによりです。いつもコメント有難うございます。またチリのほうに行かれますか? (2008/04/28 08:34:57 AM)

Re:桜の高遠城址(04/27)   【まっち】 さん
お帰り~
高遠は今が一番いいころでしょうね。

あれの受け取りは連絡とれましたか?
保管状況が心配。  (2008/04/28 10:27:01 AM)

Re:桜の高遠城址(04/27)   msk222 さん
川柳なら

 葉桜になったら逢いに行くつもり

くらいに、軽くしたいですね。あれ。とむぼさんのことになってしまったのかな。
高遠はすっかり葉桜、あれほどの人混みがうそのように、静かな公園です。
楽しいひとときでした。どうぞまたお出かけください。
(2008/04/28 11:51:23 AM)

訂正をお願いします。   msk222 さん
え~と、師匠の時実新子さんは10年ほど前に伊那・高遠に来ていますが、山荘はまだなかったので来ていません。
昨年の3月に亡くなっております。

(2008/04/28 11:56:21 AM)

Re[1]:桜の高遠城址(04/27)   水彩画人 俊介 さん
ピカさん65さん
>日本に戻っていらっしゃっていたのですね。久しぶりの桜の味はいかがでしたか。また日本の良さに感動しましたか。
>お元気そうでなによりです。いつもコメント有難うございます。またチリのほうに行かれますか?

もうチリに戻って仕事していますよ。
 今日は、パティオというきれいな広場で、可愛い女の子を描いたら、
 残りふたりの子まで、やってきて描かされました。
 後で、親がにっこり。
 絵を通じてそんな出会いも楽しいものです。

(2008/04/28 02:16:41 PM)

Re[1]:桜の高遠城址(04/27)   水彩画人 俊介 さん
【まっち】さん
>お帰り~
>高遠は今が一番いいころでしょうね。

>あれの受け取りは連絡とれましたか?
>保管状況が心配。 

 連絡とれました。箱詰めして保管してるそうです。
 木曽はまあ、雪深いでしょうね。


(2008/04/28 02:18:18 PM)

Re:訂正をお願いします。(04/27)   水彩画人 俊介 さん
msk222さん
>え~と、師匠の時実新子さんは10年ほど前に伊那・高遠に来ていますが、山荘はまだなかったので来ていません。
>昨年の3月に亡くなっております。

 了解しました。10年前だと、まだ恋の歌、激しい頃でしょうね。

(2008/04/28 02:20:10 PM)

Re:桜の高遠城址(04/27)   露草104 さん

後ろ髪日本にありて桜かな

長いようで短い・・・日々だった事と想います~~

応援しました♪
(2008/04/28 04:48:13 PM)

Re:桜の高遠城址(04/27)   jiq さん
高遠の桜を越えてチリ遥か (2008/04/28 05:11:32 PM)

Re:桜の高遠城址(04/27)   ladymami さん
とても楽しそうな旅で見ていて私も楽しくなります
毎年元気で桜を見たいものですね 
今年は皆が順番に風邪を引きのんびり桜を見ることもできませんでした

きれいな桜をありがとう (´∀`)

私も一句といきたいですが さっぱり思いつきません

(2008/04/28 09:04:56 PM)

Re:桜の高遠城址(04/27)   gundayuu さん
高遠城のお話、興味深く読ませて頂きました。
戦国の世とはいえ、今とは、生きる心掛けが違っていたのですね。

素敵な絵を、、感嘆しつつも、拝見させて頂きました。
(2008/04/29 10:51:05 PM)

Re:桜の高遠城址(04/27)   ともちゃん2255 さん
山荘での川柳談義!楽しそうですね!私も川柳をながいことしてます! (2008/04/30 09:30:47 AM)

Re[1]:桜の高遠城址(04/27)   水彩画人 俊介 さん
露草104さん
>後ろ髪日本にありて桜かな

>長いようで短い・・・日々だった事と想います~~

ほんとに、短かった。
 少年の日は、一日があっという間に過ぎて一年は長く感じられ、
 老いると、一日が長くて、一年は、あっという間とか。
(2008/05/02 01:15:29 PM)

Re[1]:桜の高遠城址(04/27)   水彩画人 俊介 さん
jiqさん
>高遠の桜を越えてチリ遥か

  高遠の桜もいつか散り散りに
(2008/05/02 01:18:48 PM)

Re[1]:桜の高遠城址(04/27)   水彩画人 俊介 さん
ladymamiさん
>とても楽しそうな旅で見ていて私も楽しくなります
>毎年元気で桜を見たいものですね 
>今年は皆が順番に風邪を引きのんびり桜を見ることもできませんでした

>きれいな桜をありがとう (´∀`)

>私も一句といきたいですが さっぱり思いつきません

 一度、人気のない夜の高遠城址に行ったことがあります。
 昼間の喧騒がうそのよう。だた、夜桜が一面に、
 夜光照明のなかに、燦燦と輝いているさまは、おそろしいほど美しくて。

 妖しきは、人去りし夜の桜かな

 猟銃を抱かせてもらう桜の夜 鳥居真理子

 なんとなく猟銃を抱かせてもらった女性も
 その夜は誰かに抱かれたような妖しい夜の気配。


(2008/05/02 01:24:42 PM)

Re[1]:桜の高遠城址(04/27)   水彩画人 俊介 さん
gundayuuさん
>高遠城のお話、興味深く読ませて頂きました。
>戦国の世とはいえ、今とは、生きる心掛けが違っていたのですね。

>素敵な絵を、、感嘆しつつも、拝見させて頂きました。

 こちらこそ、北里柴三郎の脚気の話、あたってますね。
 坂本竜馬の話といい、偉人にも、苦労話が結構あったのですね。
 次回を楽しみにしています。
(2008/05/02 01:29:48 PM)

Re[1]:桜の高遠城址(04/27)   水彩画人 俊介 さん
ともちゃん2255さん
>山荘での川柳談義!楽しそうですね!私も川柳をながいことしてます!

 ぜひ、川柳の名作品を、1日1句、日記にのせてください。
 いい川柳は深い味わいがありますね。

 岩牡蠣は内装に気を配りけり。

 これは仲原道夫師匠にほめられた句ですが、
 川柳に近いですね。
(2008/05/02 01:34:08 PM)


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