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カテゴリ:百人一詩
「書物」
ヘルマン・ヘッセ この世のあらゆる書物も お前に幸福をもたらしはしない。 だが、書物はひそかに お前をお前自身の中に立ち帰らせる。 お前自身の中に、お前の必要とする一切がある、 太陽も、星も、月も。 お前のたずねた光は お前自身の中に宿っているのだから。 お前が長い間 万巻の書物の中に求めた知恵は 今どのページからも光っている、 それはお前のものなのだから。 ---------------------- ケストナーに続いてドイツの詩。ヘッセはその昔『知と愛』にイカレました。『風と木の詩』はさしづめ竹宮惠子版『知と愛』だな、と思ったものです。 それにしても外国の詩は難しいですね。訳すのも、鑑賞するのも。一部の例外を除いて、日本語に移した時点で、ほとんど詩的なリズムが失われ、あとに残るのはアフォリズムの残骸というものになってしまいがちです、翻訳者には失礼ながら。今回はその「残骸」の中から、不具が好きなものを選んでみました。 【中古本】 ヘッセ詩集 (新潮文庫) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.05.28 23:36:06
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