銀の裏地

　亭主殿の実家と軒続きの二世帯住宅に戻ってきたので、おせち料理はお姑様お手製のものを一緒にご馳走になる。お雑煮はすまし汁系、お餅は四角。栄養士の資格も持つスーパー主婦のお姑様の料理はお江戸育ちとは思えぬ薄味で上品。素材そのものをなるべく味わいたい私としてはありがたい限り。
　とは言え2日目ともなれば、我が家仕様のお正月料理も食卓には並ぶ。大根もちとゆば包みををメインとした中華風お雑煮、それから京人参のきんぴら明太和え。大根もちもゆば包みも生活クラブの共同購入品だから料理というほどのこともないのだが、毎冬の楽しみなのだ。京人参も最近は近所のスーパーでも見かけるようになったけれど、十年前は共同購入でもなければなかなか買えなかったっけ。正確には讃岐産なので金時人参だけれどまあ品種は同じ。辛子明太子やゆず胡椒は結婚したばかりの頃は遠慮しながら使っていたものだけれど、十何年も同じものを食べていれば、夫婦なり家族なりで共有される味覚はできてくる。今は日常的な食卓のお供。私はテーブルで醤油味は追加しないけどね。

　人参つながりで今日の本はせなけいこの『にんじん』。赤ちゃん絵本の基本図書、古典ですね。「にんじんすきなこ　だあれ？」のフレーズを覚えている人は多いことと思う。素朴な色合いのちぎり絵の風合いもあたたかく、正方形に近い本の形と言い、文句のつけようのない完璧本。我が家にあるのは亭主殿が赤ちゃんのときにいただいたもの。ずっと現役。これで育っていれば人参嫌いにもなりにくいのではなかろうか。私は絵本と関係なく生の人参をがりがり食べて育ったんで、匂いがだめとかいう気持ちはわからないのだけど。煮たり焼いたりしなくても充分甘いと思ってるし。青い感じが苦手な人は、たぶん畑でそのまま野菜を食べた体験がないんだろう。
　リンクを張るべく楽天ブックスで「せなけいこ」で検索したら行きあたらず、すわ絶版かと焦ったら、｢瀬名恵子｣表記になっていた。この著者のペンネームはひらがなでしょ。ポイントを使いたいから楽天で買うことは多いけれど、でも本好きの人が少ないんだろうなと思わされるオンライン本屋である。


にんじん

　セット売りもあります。プレゼントにいいですね。4冊組。

いやだいやだの絵本

　こちらはＤＶＤ。



『せなけいこ あかちゃんビデオ(DVD)』