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テーマ:読み聞かせ(295)
カテゴリ:絵本
東京は暖かい日が続いていますが、逆らうかのように吹雪の夜のおはなし。
小さい子が自分の持てる能力をフル活用して頑張る話なので、ナンのお気に入りの1冊。女の子が主人公ですが、勇気と責任感がテーマなので、男の子でも聞きやすく、クラスでの読み聞かせにも向いています。 ゆうかんなアイリーン アイリーンのお母さんは腕の立つ仕立て屋さん。今日もお屋敷の奥さまの舞踏会用のドレスを見事に縫い上げたところ。でも届けようにも急に風邪が悪化。小さなアイリーンはお母さんをベッドに入れて看病、寝かせつけて自分で配達する決心を。舞踏会は今晩。雪がちらついてきたからあったかくしていかなくっちゃ。 お手伝いが仕事の肩代わり、やがては命がけの大冒険になっていくさまが、でも無理なく自然な展開で、がんばりやさんのアイリーンの溌溂さのおかげでお涙頂載にもならずいい感じ。お屋敷の奥さまの対応もちゃんとした大人らしく行き届いていて、アイリーンは大人の役割を無事果たし終えた子どもとして扱ってもらえます。大人としての賞賛と子どもとしての保護の両方を貰えたということです。こういう辺り、きちんとしてます。 作者ウィリアム・スタイグは人としての誇りの取り扱いが、実に繊細。それは長編も絵本も一貫しています。一般的にはアニメ「シュレック」の原作者として通りがいいのかな。長くアメリカの雑誌・新聞で漫画家として活躍、キング・オブ・カートゥーン(マンガの王様)とまで呼ばれた人だったのが、なんと60代で児童読み物作家に転向、その後絵本へと活躍の場を広げます。日本では子ども向け長編は主に評論社、絵本は主にセーラー出版から出版されていて、図書館でだいたい読めます。アイリーンもセーラー出版ですね。セーラー万年筆の関連会社だとは知らなかった。訳者の小川悦子は社長さんでした。小さい出版社は編集長=社長は珍しい話ではありません。あとこういう小さいとこの本は往々にして楽天で品切れ表示が出やすいですが、絶版とは限らないので、他をあたると簡単に入手できたりします。ちょっと老婆心。 「シュレック」の原作『みにくいシュレック』のリンクを作っておこうかと思ったら、こちらも品切れ画像なし、ということなので(これが今入手できないとはとても考えられないんだけどなあ)、比較的入手しやすいものを2冊。上が児童向け、下が絵本です。でもスタイグですから、大人っぽい子どももバカにしたりできない内容・出来。もちろん大人まで、全年齢対応です。 ロバのシルベスターとまほうの小石 ピッツァぼうや お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.01.23 14:55:08
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