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カテゴリ:調べ学習
風邪っぴきの子どもたちを置いて出かけるのは気が咎めないではないが、月にたった1度の外出なので、許せ。今日も今日とて調べ学習の勉強会である。片道1時間半。
本日のテーマは「百科事典を使いこなす」。何かを調べるのに辞典や事典のお世話になるのはあたりまえ、なんだけど、あまりにあたりまえすぎてきちんとした付き合い方を実はあまり教えてないのが現状。小学校では2,3年で国語辞典の引き方は一応教わるけど。言葉があいうえお順に載ってること、意味や使い方がわかること。 さて、かん子式調べ学習ではなんと、テーマ決めの段階でまず百科事典を引く。先生から与えられる大きなお題、まずそれを定義することから作業を始めるのだ。いきなりそのお題「○○」の分類番号の書棚へ足を運ぶのではなくね。いきなり書架に行き専門書にあたるから、自分のいる場所がわかんなくなって子どもは迷子になるのだ。そこで定義。つまりゴールをちゃんと見定めるところから始める。「○○とは何か」。何を調べたらいいのかわからないと途方に暮れる前に、何を調べたいかを考える材料を見つけさせること。百科事典で「○○」を引き、そこに書かれたコンパクトな定義の中だけで、とりあえず自分の調べたい何かを見つけ出せばいいのだと思えば、子どもはすぐに作業にとりかかることができる。まず定義を手に入れる→知識(自分がもうわかっていること)の確認→知識・情報(わからないことがはっきりしたこと、知りたいこと)の収集へ。 そうやって決めるテーマはこういう形。「○○の××ってどうなの?」。「××」は「○○」の定義の中で、その子が気になったポイント。で、その単語を使って疑問文を作ってみれば、それが自分の調べたいテーマ、と相成るわけだ。 もっともそんな風にすんなり進める子はなかなかいないので、まずは定義を理解するところから始める。百科事典の知りたい項目、その最初の3行ばかりが定義なので、まずまる写しで書き出してみる。わからない言葉は別に書き出し国語辞典で調べる。もう1度戻って定義を読み直す。それを理解の軸として解説を読みとおす。要約する。この要約ができるかどうかが調べ学習においては大きなポイント。まとめる能力と一言で言えば簡単に聞こえるが、大事なこと、(自分に)必要なこと、を峻別してひっぱりだし、圧縮させ、しかも人にわかる形にして出すという実のところとても大がかりな作業である。 で、この要約を体感から可能にしていく方法があって、それが、とりあえず解説をまる写しにすること!なのだ。小学生にこれを2項目ぶんくらいやらせると、もうやだ、大変!となって、3回目に、じゃあどうしてもここだけはというところだけ書くことにしようと言えば、みんな喜んでまとめにかかるそう。これのいちばんシンプルな形が夏の自由研究の記事で書いた「3行」。身体のコントロールにおいて自分の軸をしっかりと意識するのはすべての基本だが、思考においてもそれは同じ。 他には出典について、それからその関連で奥付について。奥付は大岡越前が命じてつけさせたのが始まりなんだって! なんというトリビア。責任者でてこい、がやりやすいからね、これがあると。というわけで奥付は責任表示なのです。逆に言うと、責任表示のないものは資料として使えないということ。だから匿名の記事とか、ネットでの情報は基本的に×なわけ。官公庁のHPにあるもののような公に準ずるものは別ですよ。あれはそれこそ責任表示つきだから良いの。そして同じ理由で参考文献を2冊以上あげていないレポートは認められない。ちゃんとウラはとってますよ、調べてますよという表示なわけね、出典明記は。 このへんは学校でまだ全然教えてないところ。裏付けをとる必要性はもう赤の二重線くらい引いて教えなきゃいけないことなんだけど。なにしろ子どもたちは教科書を丸呑みせい、と日頃教え込まれているから、活字で書かれていることが間違っているかもしれないと疑わない習性が身についてしまっている。歴史や科学の教科書なんか十年後には間違いだらけになってるかもしれないってことからやってると授業にならないのかもしれないけれど、でも逃げていいことではないよね。…とにかく、2冊以上の資料で確認してからじゃないと信用しちゃいけないし、他の人からも信用してもらえないよ、ということ。 来月は1月20日(木)だそうです。要連絡。 ちなみに明日12月4日(土)は淑徳SCの学校説明会だそうで、関連講座として午後14時台から赤木かん子さんのお話があります。調べ学習用に大規模リニューアル中の図書室も同時に見学できるので、関心のある方はどうぞ。説明会に来た保護者ですって顔してれば入れてもらえるみたいですよ。親じゃなくても姉とか兄とか? HPはこちら。 かん子さんが保護者向けには調べ学習の重要性ををどうアピールするのか生で聞いておきたかったのだけれど(自分の学校でのPTA対策にね)、私は明日は朝から夜まで小学校に縛られどおしなので身動きとれない。どこでもドアがあれば講演だけは聞けるのになあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.12.03 13:14:30
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