|
カテゴリ:絵本
お隣(軒つづきの亭主殿実家)に猫が3匹住んでいるせいなのか、ゼロは自分のことを猫だとも思っているらしい。うちの近所は昔から野良猫がかなり自由に生息しているエリアなので、お散歩だの買い物だのでゼロは彼らと道端でしばしば遭遇するわけだが、猫たちと鳴き交わして挨拶しているのを聞くと、どちらが猫かわからないほどだ。さすが本物仕込み。
来週の絵本講演会で講師の方がとりあげるラインナップに片山健があったので、これを借りてみた。
タンゲくんとはこのふてぶてしい顔をした猫の名前。片目がつぶれているのでタンゲくん。もちろん由来は丹下左膳(亭主殿は一瞬「丹下段平?」と勘違いしかけたが←ジョー好き、あちらもネーミングは左膳からと思われ。梶原一騎だからね)。ある日のご飯時、ふらりとあらわれて居ついた立派な体躯のオス猫に、女の子は魅了される。作者が実際に出会った猫がモデルで、直観的に「絵本になる!」と5画面以上浮かんでいたのに、実際に1冊の絵本の形ができあがるまでには10年近くかかったそうだ。別冊太陽のロング・インタビュー集「絵本の作家たち2」(註:数字はほんとはローマ数字です)の著者インタビューにそのあたりはくわしい。聞き手の小野明は五味太郎との共著『絵本を読んでみる』(平凡社)のあの人です。
ひと目で魅了されたのは主人公の女の子だけではない、ゼロも同じだ。もうすっかり親分というか兄貴というか、もう絵本を見つめるまなざしが尊敬とあこがれでものすごいことになっている。身体中で「タンゲ△!」と叫んでいる感じ。いやでもほんとにかっこいいぞ、タンゲくん。佐々木倫子の「山田の猫」がメス猫の横綱なら、オス猫の横綱はタンゲくんである。このみっちりとした存在感。
↑画像は無いけど在庫はあります『動物のお医者さん』の佐々木倫子の忘却シリーズ第3弾。恵まれない容姿も体型もどこ吹く風、「あたしは飼い主に愛されてるわ」と悠然と言い放つ山田の猫のすがすがしさ。まだ絶版ではないので読みたい方はお早めに。単行本未収録作品があるそうなので、まとめて文庫化してもらえないものか。『ペパミント・スパイ』もね。 ↓よろしかったら押してください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.02.10 16:25:43
コメント(0) | コメントを書く
[絵本] カテゴリの最新記事
|