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カテゴリ:絵本
まだ余震はおさまったとは言えず、それでも子どもたちには日常生活を取り戻させたい。原子力資料情報室のガイガーカウンター測定値を定期的に確認(故・高木仁三郎博士が中心になって設立されたここは、原子力を専門とする科学者とジャーナリストによる脱原発のための資料室だ。以前お世話になった方がスタッフだったこともあり、こういうときにはまず参考にさせてもらっている)、大きな変動が無いうちは、約束した場所に限って出かけることを許す。
この日は小学校は午前授業だったので、キイは友だちの家へ行きたいという。普通は3人でお邪魔しているお宅へ今日は6人で集まって遊べるからどうしても。詳しい地図で場所を再確認。大きく揺れた場合、両親どちらかが迎えに行くから勝手に飛び出さないようにと約束させる。あちらは今日、親御さんが不在なのだ。避難するように市内放送が流れたら、全員揃って近くの中学校へ行くこと、とも(大通り沿いに道1本なので比較的避難も安全)。私ももうすぐ文庫に顔を出すが、地震体制でシフトが待機に近い状態になっている亭主殿がもうすぐ帰宅する。ほとんど入れ替わりになれるだろう。リンとナンは原発がこわいから今日は家から出ないと言っているし。こちらは急な停電に備え、エアコンその他大きい電源はコンセントからプラグを抜き、いない間に勝手にガスで調理しないことを固く約束させる。お手製クッキーもケーキも今日は無し。買い置きのおやつを渡して私も外出。 文庫はNさんのお宅の地下室を解放していただいている。外からの階段で直接入れるそこは、通ってくる小さい子にとっては秘密基地の趣。先日の本震でも本棚にほぼ被害は無かった。崩れてしまったのはそう、先週から整理中の「こどものとも」の塊。また整理しなきゃねなのだが、この日の午後イチにも結構な揺れがあったりで、ネット上にリスト一覧も見つけていたのにプリントアウトしてくるのをすっかり忘れていた私。今日で3学期最後だったのに。4月には必ず持ってくるぞ。 誰も来なかったら閉めようかとNさんとは話していたのだけれど、一部メンバーはそれでも来訪。子どもたちだけで来ようとしていた近所のマンションの高学年ズはお母さんに止められた。私は文庫の様子を確認して安心しておきたくて顔を出したつもりだったが、実際にはNさんと気の置けないおしゃべりをしたかったのだなと気がつく。思ったより地震から気が張っていたようだ。 地震のこと原発のことはまず最初の話題、でもそれからは本のこと(Nさんがそりゃあ素敵なスズキコージ画集を買ってきてくれた)図書館のこと調べ学習のこと、読み聞かせ講座にブックトーク講座の件の打ち合わせ、学級文庫の管理のこと、と本を通して未来のことを語る。これがこの場から私たちができること、未来へ発信できることだ。自分の場所で精いっぱい自分の仕事を。それが黄昏の時代であるとしても。
スズキコージは日本のシャガールだと思う。その放射するエネルギーの強さ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.03.20 08:49:39
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