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2024/05
2010/01/14
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カテゴリ:株式
JALはすっかりオモチャになっていますね。出来高も10億株を超えて記録更新ですか。6円で買って10円で売った人は上昇率67%ですから、立派なもんです。私も6円で百万株くらい買って、10円で今の持ち分含めて全部売り切れば、ちゃんと利益が出て終われたんですけどね。まあ、出来ないですな(笑)。

さて、昨日もテレビ朝日の報道の意図が分からずチト腹を立ててコメントしたんですが、朝日新聞の方にも同じ記事が出ているようですね。WEBでしか見ないので、実際いつの紙面に載っているのか知りませんが。株主優待券に関しては、どんなにあおり報道があっても、直接JAL側に損害を与えるものではありませんが、顧客離れを誘発するかもしれませんし、マイレージに関しては、風評被害で債務超過額を引き上げる可能性があり、国民負担の増加にもつながります。

日航株主優待券「たたき売り」 金券ショップに大量流通

「金券ショップが軒を連ねる東京・新宿駅西口「思い出横丁」。日航株が東京株式市場でストップ安となった翌13日朝、日航の優待券は、4カ月前の3分の1以下の2千~3千円で売り出された。」

こんなところが風評被害も発生させる書き方ですね。内容は正しいでしょうが、本当の意味を読者に伝えていません。例えば、ANAの株主優待券はどうなっているのか?ちゃんとその辺もコメントして欲しいですね。多分、4ヶ月前(昨年9月)を基準とすれば、こちらも1/3かその辺になっているはずです。ANAも法的整理ですか?もちろん違います。1/3になっているのは法的整理だからってわけじゃないでしょうに。

株主優待券はちゃんと相場に季節性があります。需給と有効期限でキチンと価格が決まる鏡のような存在です。今年度の株主優待券に関しては、全般的には前年よりやや価格が下がっているようです。これは、景気の影響もあるでしょう。昨年5月の株主優待券が出回り始めた直後には相場が例年より下がっているという報道もありました。私自身ブログで取り上げております。

株主優待券、前年比最大4割安

ですから、1年前と比べても今現在の相場はやや低いと思います。しかし、これはJAL特有の事情ではなく、ANAも同じです。

例年どういった価格変動を見せるかですが、たいていは年末年始の予約が開始されるころ、すなわち10月末あたりから、11月中旬くらいまでが最も高くなる傾向があるようです。やはり、株主優待券の使い道として最も有効なのは、安い運賃の設定が少ない盆暮れの帰省ラッシュ時とゴールデンウィークあたりです。一方、発行は5月末と11月末に行われ、いずれも有効期限は次の年の5月末です。ゴールデンウィーク前には前年の優待券が有効期限切れを前に投げ売りされています。例年4-5月は一番安いときです。また、6月くらいに予約が開始されるお盆の帰省時は5月末に新券が発行された直後ですから供給過多でここら辺はまだ価格的には盛り上がりません。しかし、お盆シーズンに大量消費され、秋の優待券が11月下旬に出回るまでの間、供給量が細り、年末の帰省予約も始まる頃に最も優待券価格が高まると言うわけです。

これに加え、昨年はさらに特殊要因がありました。それは9月に「シルバーウィーク」があったということです。そのため、9月頃の株主優待券相場は非常に高騰していました。お盆で大量消費され供給が細っていた時期に、シルバーウィークで需要が大量発生したため相場が上がったものと思われます。私も例年は5月の優待券は10-11月ころにオークションで売りさばいているわけですが、昨年はこの9月相場を見て、9月のシルバーウィーク前にJAL, ANAとも手持ちの優待券を全て処分しました。

朝日新聞の報道の「4ヶ月前」とはまさにこの時期です。ですから、例年でもこの1月ころの水準は11月下旬に新券が出回ることによる相場の下落と、さらに、年末年始の需要期も終了し、秋の相場からすれば半値またはそれ以下くらいになるのは当然で、まして、シルバーウィークという特殊要因があった9月と比べれば1/3になるのはしごく当たり前です。ANAもYahoo!オークションでは3千円台半ばくらいで取引されており、約1/3です。JALはANAより常に1-2割安いことを考え合わせると、JALも3千円くらいなら普通です。Yahoo!オークションでは2千円台後半くらいのようですから、一連のJALに特有の問題による下落幅は高々2-5百円くらいの見積もりで、「たたき売り」って表現には大いに違和感ありますね。まあ、取材した記者は、たたき売りが起こっているはずだという先入観のもと記事を書いているんで、こういう表現になるんでしょう。

また、マイレージなんですが、記事にはこんな風に書いてあります。

「一方、マイレージも使い切ってしまおうとの動きがある。日航広報部は「目立った規模ではない」としているが、マイレージを交換したクーポン券で買い物ができる東京・有楽町の「JALプラザ」には、連日多くの人が詰めかける。」

いったい、クーポン券で買い物している人の割合はどのくらいなんでしょう(笑)。本当にそんなにごまんといるのでしょうか。そういった基礎データがまったく分かりません。東京・有楽町の「JALプラザ」には、連日多くの人が詰めかけているのは事実でしょう。私も土日に映画やビックカメラに行ったその足でたまに立ち寄ることもありますが、結構混雑していることが多いです。でも、普段に比べてどうなよとか、1年前に比べてどうかとかその辺のことがまったく分かりませんね。まして、「マイレージを交換したクーポン券で買い物ができる」って形容詞をつけているところがイヤらしいですね。

だいたい、マイレージはJAL側から考えると債務には違いありませんが、非常に質の良い債務だと思います。現在、政策投資銀行からのつなぎ融資は10%の金利だそうですが、マイレージは無利息です。しかも、3年たてば失効しますので、マイレージの残高は一方的に膨張し続けることもありません。しかし、日々飛行機は飛んでおり、通常状態なら一方的に減っていくこともないでしょう。すなわち、マイレージ債務残高は極めて安定的に推移しているものと推察します。出と入りが同じくらいで、残高が変化せず、しかも金利もかからないとなれば、これは、債務が存在しない状態ともなんら変わりがありません。要するに、現状の残高を無効にして、債務を減らしたところでJAL再建にとってはなんのメリットもありません。

しかも、マイレージは顧客を囲い込むための非常に重要なツールです。現在JALとANAはほとんど同レベルのマイレージサービスの質です。ていうか、一方で何かサービスを始めると他方でも追随するという繰り返しでこれまで同レベルのサービスを保ってきました。もし、法的整理に当たってこのサービスの質を低下させるようなことがあれば、またたく間に顧客離れを発生させ、再建がままならなくなるでしょう。すなわち、マイレージサービスの質はANAと同レベルの現在の水準を何が何でも保たなければならない宿命にあります。ANAという存在がなければ、また別の道もあったかもしれませんが、少なくとも私が再建請負人ならマイレージは一切いじりません。むしろ、法的整理という負のイメージによる顧客離れを食い止めるため、キャンペーンなどでサービスの質を(ANAに比べ)より上昇させたりするでしょう。

株主は上場廃止で大量虐殺してもしょうがないですが、マイレージ会員を大量虐殺すればこれはもはや企業の自殺です。アメリカでもいま提携がうわさされているデルタをはじめ多くの航空会社が法的整理を受けて再生してきたわけですが、マイレージサービスが無効になったなんて話は聞いたことがありません。それはすなわち航空会社の命運をにぎった重要アイテムだからでしょう。

なお、まだ公式に支援決定すらしていないにもかかわらず、企業再生支援機構から、マイレージと既発株主優待券は従来通り使用可能という方針が発表(1/13, PDF)されています。これなんかもあおり報道のせいですかね。朝日新聞でもこのことについては記事になっていますが、それなら、一般人を惑わすような一番上のあおり記事はボツにすべきじゃないですかね。一般人が不安にかられ、JAL離れが進めば進むほど国民負担が増えるだけで、地方空港にとっても、全国民にとっても何のメリットもなく、あの報道は何の価値もないばかりか、世の中にマイナスに作用するだけだと私は主張したい。たとえ一部の人が株主優待券の投げ売りやマイレージの消費に躍起になっていたとしても、それを天下の大新聞が書き立てる理由が皆目分かりません。法的整理などで弱っている企業に対して一番怖いのが風評被害です。そして、報道がこれを生み出す要因になると、こういった自覚が朝日新聞には欠けているんでしょうな。

まあ、朝日新聞相手にこんな場末の端っこで、反発したところでなんの影響力もないんですけどね(笑)。意外にもスゲー長くなった。ここまで読んでいただいた方、長くてスミマセン。





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Last updated  2010/01/14 05:36:40 PM
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