本のタイトル・作者
夜フクロウとドッグフィッシュ (SUPER! YA) [ ホリー・ゴールドバーグ・スローン ]
"To Nightowl, From Dogfish"
by Holly Goldberg Sloan & Meg Wolitzer
本の目次・あらすじ
ねえ、あんたのお父さんと、あたしのお父さん、付!き!合!っ!て!る!!!んだよ!
ある日、ロサンゼルスからニューヨークに届いたEメール。
ゲイのカップルのもとに生まれ、もう一人の父とは死別したベット・デブリン。
ゲイのシングルファーザーのもとで育ったエイヴリー・ブルーム。
同じ12歳の2人は、父親たちが夏休みのキャンプに娘たちを放り込み、仲良くさせる作戦であると話し合う。
絶対に阻止しなくちゃーーー家族になるなんてまっぴら!
好奇心旺盛でサーフィンが好きな活発な少女と、病的に神経質で臆病な本好きの少女。
正反対の2人は、メールのやりとりを通じてやがて友情をはぐくんでいき……。
引用
ひとつの物語が終わっても、また別の物語が始まること。
家族というのは、離ればなれでなく、一緒にいたいと願う人たちで作られること。
どういう形が家族で、どういう形がそうでないかは、だれにも決められないこと。もちろん、決めつける人はいるけれど、そんなことに耳をかたむける必要はないし、かたむけてはいけないのです。聞かなければならないのは、自分の心の声だけだから。
感想
2020年読書:245冊目
おすすめ度:★★★
「ニューヨークタイムズが選ぶ2019年度子どものベストブック」
「2019年2月のアマゾンベストブック」
「2019年パブリッシャーズウィークリー・もっとも読まれた子どもの本」
「2019年子どものための夏の推薦図書ベスト10」
「2019年グッドリーダーズが選ぶ子どもの本」
という後ろ表紙の文字から、興味を惹かれて読んでみた。YA小説。
すべてがメール・手紙形式(横書き)で進んでいく物語。
メインの2人だけではなく、それぞれの父親や、祖母、生物学上の母親、キャンプの責任者、医者、いろんな人がいろんな人にあてたメールや手紙で構成される。
ので、なんだか自分が当事者になったような、そこの一人になったような気がした。
(往復書簡形式の小説って昔からあるけれど、そのうちLINE形式の小説も出てくるのかな?二次創作ならもうあるもんね)
横書きで地の文がなくて読みやすいし、課題も明確で軽快なタッチで読後感も良い。
夏が舞台なので、夏の読書感想文に最適。
ラストは「ん?」からの「おっ」という展開。
いろんな恋愛と家族の形。
家族って何だろう。
日本(アジア)の家族の概念ってガッチガチだけど、アメリカの映画やドラマ、本を読んでいると「本当に多様だなあ」と思う。
シングルで子供を持つ、同性カップルで子供を持つこともある。
この本も以前なら「あんたのパパとうちのママ、結婚しようとしてるよ!」という話だっただろう。
日本的な家族像は、お父さんとお母さんと、子ども。
「こうでなくちゃ」にあるものは、何?
恐れ?自分の生活を脅かされるような、基盤を揺るがされるような怯え?
自分は正しい場所にいる、というような優越感?
実際に同性カップルで子供育てます!という人にあった時、私は「おおおおう」と思うんじゃないかな。
めちゃくちゃ「あの人って…」って目で見てしまうんじゃないか。(やだなあ)
血のつながり、というけれど、夫婦ってもともと血のつながり無いしな?
じゃあ何故家族なのか、というと、「家族になろうと思ったから」だ。
その意思の力だけで繋がっているって、血よりもすごいことだと思う。
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