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2021.04.19
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カテゴリ:【読書】未分類

本のタイトル・作者



この本を盗む者は [ 深緑 野分 ]

本の目次・あらすじ


読長町の御倉嘉市。1900年生まれの彼は、全国に名の知れた蒐集家であった。
その書庫である立派な家は「御倉館」と呼ばれ広く門戸を開き、老若男女が本に親しむ街の名所となっていた。
しかし、嘉市の死後、御倉館から200冊の稀覯本が盗まれ、娘のたまきは激昂する。
彼女は、御倉館に厳重な警備システムを敷いた―――それは、普通のものだけでなく。
たまきはすべての蔵書に魔術をかけたのだと、街の人々は噂した。

時は流れ。
嘉市のひ孫である御倉深冬は、厳しかった祖母・たまきのせいで、すっかり本嫌いに育っていた。
柔道の師範である父・あゆむが入院したことをきっかけに、本を読んで眠ってばかりいる叔母・ひるねの面倒を見るため、深冬は嫌々御倉館に足を踏み入れる。
そこで深冬は、不思議な現象を目の当たりにする。

この本を盗むものは―――。

第一話 魔術的現実主義の旗に追われる
第二話 固ゆで玉子に閉じ込められる
第三話 幻想と蒸気の靄に包まれる
第四話 寂しい街に取り残される
第五話 真実を知る羽目になる

引用


「深冬ちゃんのしたいこと、したくないことを考えて、大事にしなくちゃ。私も深冬ちゃんの決めたことを大事にしたいし――私は深冬ちゃんの味方だよ。誰がなんて言っても」


感想


2021年読書:061冊目
おすすめ度:★★★

2021年本屋大賞ノミネート作品になっていて読んでみた。
(今年の結果は、10位でした。)

帯に「森見登美彦氏、推薦」とあった。
確かに。分かる。
森見登美彦『熱帯』が好きな人は、好きな感じ。
ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』みたいに、物語の中に入っていくシチュエーションに萌える人におすすめ。

深緑野分さん、『ベルリンは晴れているか』の時も思ったけれど、舞台装置を作るのが上手い。
パタパタパタ、と四方から組み立てていったような。
映画のセットを作っているような。
でも、「つくりもの」感もまた、ある。
何だろうなあ、何と説明したらよいのだろう。
フィクションフィクションしていて、アニメにしたら映えそう。

話の構成はうーん、という感じで(時系列が、かなり走り過ぎというか、立て続けにブックカースが起こり過ぎる)、「ひるね」のこととか、お父さんのこと、真白のこと、もうちょっと詳しく書いて欲しかったなあ。
設定は面白いんだけど。

しかし、こういう設定でうまく機能するのは、やっぱり「本」なんだよな、と思う。
映画でも漫画でもだめで。
それは、文字、じゃないといけない。
びっしりと書き込まれ、読み継がれ、残って来た本。
それって、何故なんだろう。
そこに呪術性のようなものが、やっぱりあるんじゃないかしら。

はじめにことばがあった。
言葉がなければ、人は人たりえなかったのであろう。

本を読む。
紙の上の、ただのインク。
それを読む、という行為の不思議。
同じ言葉。それなのに、それぞれの読み手の内側に構築される世界は、違う。
それぞれの世界に、異なる声が響く。匂い。音。手触り。感情。
(それなのに、映像化されたときの「声が違う」と多くの人が思うことがある不思議。)

読む。
パタパタパタ、と世界を組み立てる。
注文の品が出てくるのを待つラーメン店のカウンターで。
混雑した電車の座席で。人を待つ喫茶店で。お風呂場で。ベッドで。
その人は、その世界の中にいる。今、ここにいるのに、ここにいない。

本を読む、って不思議だ。

これまでのレビュー


2020.08.31 ベルリンは晴れているか [ 深緑野分 ]

おすすめ関連本



熱帯 [ 森見 登美彦 ]

物語の中の物語の中の物語の中…とどんどん深みにはまっていく話。
本を読むことの不思議さを再認識する。


図書館は逃走中 [ デイヴィッド・ホワイトハウス ]

移動図書館を乗っ取って、みんなで逃げる話。
ロードームービー的で、とても素敵だ。

​​
ペナンブラ氏の24時間書店 (創元推理文庫) [ ロビン・スローン ]

全国大学ビブリオバトル2014チャンプ本。
本屋の本に隠された、暗号とは?
この人の本は、面白くて色々考えさせられる。


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最終更新日  2021.04.19 12:00:08
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