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pua honey@ あくあさんへ こんにちは! しまちゃんと京介のなんち…

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2011.09.09
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2011年9月9日 午後1時10分

わたる永眠  9歳4か月

「眠っているかのように安らかな顔のわたる」
安らかに・・・わたる



この日が最期になるなんて思ってもみませんでした。

もう時間が残り少ないことは覚悟していましたけど・・・。


9日は、私のお腹のエコー検査の予約が入っていました。
先月予約を入れたので、9月9日のわたるの様子がどうなっているかわからなかったので、
その時の状況をみて対応しようと思っていました。

毎年そうなのですが、お腹のエコーは飲食禁止の状態でいかなくてはいけないので、
夫が会社を休んで車で連れて行ってくれます。

この日も夫は、私の付添いのために会社を休んでいました。

ただ、わたるの状態によってはエコー検査はキャンセルするつもりでもいました。


8日の深夜から9日にかけて、私は何度も目を覚まして、
そのたびにわたるの様子を見に行っていたのですが、
いつもと変わりなく寝ていました。

朝5時に見に行ったときは、わたるはおしっこを済ませた後のようで、
個室から出て玄関付近まで移動していました。

おしっこシートを変えて、「偉いね。ちゃんとおしっこできたね」と褒めて撫でてやり、
私はもう一度布団に戻りました。

少しうとうとしつつも、どうもわたるが気になって6時半にもう一度様子を見に行くと、
玄関のたたきに横たわり、呼吸がいつもよりもずっと荒くなっているのに気が付きました。

「呼吸が荒くなっちゃってる。来てー」

夫が起きてきてわたるに声をかけます。

「わたる大丈夫か? 苦しそうだな。苦しいよな。。。」
そういいながら撫でてやっています。

私たち二人はしばらくそこから動けませんでした。

今日が山場?
明日まで?
それともまた少し良くなって数日一緒にいられる?

そんなことを思いながら、夫とずっとそばについていました。

1時間ほどしてから、しきりにお風呂場を気にしています。

お水が飲みたいのかも、と思い、お風呂のふたの上に乗せてやり、
お水を出して手のひらにたまった水を飲ませてやろうとしますが、
鼻を近づけるだけで飲みません。

もう飲む力がなかったのだと思います。

指で口のあたりを湿らせてから、夫が抱っこをして私たちの布団の上に移動させました。

布団の上に寝かせると、少し呼吸が落ち着いています。

「呼吸がいつもと同じくらいになったね。」(私)
「抱っこしたら落ち着いてきたね」(夫)

甘えん坊のわたるは、抱っこが大好きです。
夫に抱かれてうれしかったのだと思います。

しばらく3人で川の字になって眠り、
その間も、二人で交互にわたるを撫でていました。

時々、顔をあげてあたりを見回しています。

リビングの方に顔を向けるので、今度はリビングに移動させてあげました。

「旅立つ4時間前のわたる」
旅立つ4時間前のわたる


円卓の下に横たわり、またもや少しずつ呼吸が荒くなってきましたが、
声をかけて撫でてやると、目を細めます。

でも瞳孔も開いたままなので、この様子をみているうちに、もう長くないと感じました。

当然お腹のエコー検査はキャンセルです。

今日はどこにもいかず、夫も私もずっとわたるとともに過ごすことに決めました。

もう自分で歩くことができないほど衰弱しているのに、
立ち上がり歩こうとします。

今度はどこに行くの?

わたるが向かおうとしているのは、夫のそばです。

朝食を済ませた夫がまた布団に横になっているのをみて、
そこに行きたがっていました。

抱っこして、夫の腕枕で寝られるようにしてあげました。

もうゴロゴロも言えない状態でしたが、
わたるは確かに喜んでいました。

「パパの腕枕はさいこーだよ♪ ぼく幸せだな~」
そんなわたるの声が聞こえてきます。

そんなわたるの顔に、私の顔を近づけると、
甘えたように額を私の方へ押し出します。

元気な時は痛いくらいの頭突きをして甘えていたわたる。

力を振り絞って、「ママ好きだよ。」と額を上下に動かしているのをみて、
思わず両手で顔をはさみ、その額にキスをしました。

「ママも好きだよ。わたる」


まだ自分でわずかだけど身体を動かす時に、
伸びてしまった爪がシーツに引っかかってしまうので、
夫が「爪をきってやろう」と言ってくれました。

もうこれも最後の爪きり・・・・。

「切った爪はとっておいてね」

切ったつめさえも、わたるのものであれば捨てられない。
そんな気持ちになっていました。

夫が爪を切ってくれている間に、私はキキをベランダに出すことにしました。

キキもわたるの様子が朝から違うことがわかっているようで、
落ち着きがなく、わたるをみると威嚇していたからです。

キキも色々我慢しているんだよね。
ちょっとお外の空気を吸おうね。

キキをベランダにだしている途中で、夫が来て
「わたるが布団の上でおしっこをしちゃったよ」と言ってきました。

あらあら大変。

キキのリードを夫に渡し、急いで中に入り、
シーツをはがして布団にしみたおしっこを拭きました。


わたるは悪くありません。

しきりに顔をあげて起き上がりたいというそぶりを見せていました。
おしっこに行きたいというサインだったのに、
私がそれに気が付いてあげられなかったのです。

最後までちゃんとトイレでしようと思っていたのにね。
ごめんねわたる。

シーツと布団の始末をしてから、夫とまたバトンタッチをして、
再びキキとベランダでぼーっとしていたら、
夫がまたベランダまで私を呼びに来ました。

「早く!!!!早くきてーーー!」

急いでキキを抱きかかえ、家の中に入り、
一目散にわたるのそばに駆け寄ると、

「ウォーーーン」と大きな声でなき、
呼吸もさらに荒く速くなっていました。

あーーー、わたるーー。
苦しくないように、苦しくないように。
大丈夫だよ。
そばにいるからね。
ここにいるからね。

そういいながら二人でわたるの身体を支えていました。


そしてまた大きくひとなきし、
大きく息を吐くと動かなくなりました。


でもまだ肺に空気がたまっていたのでしょうか、

「わたる!!!わたる!」と声をかけると、また大きく息を吐きます。


「もう呼ばないほうがいいよ。。。わたるががんばっちゃうよ」と夫に諭された瞬間、
全身の血が逆流するかのような、いいようのない悲しみに包まれました。


うそ。

うそだよね。

わたる?

また起きるよね。

抱っこ!っていってくれるよね?


頭の中が真っ白になってしまい、
何か口走った様な気がしますが覚えていません。

夫の「わたる本当に死んじゃった・・・」という言葉に我に返りました。


13時10分。


眠ったように横たわっているわたる。
わたるには感謝の言葉しかでてきません。

「頑張ったね。わたる。よくがんばった。」
「もう苦しくないね。」
「わたるありがとう。たくさんたくさんありがとう。。。」
「楽しかったね。いっぱい楽しいことしたね」
「うちに来てくれてありがとう」
「わたるが私たちの子になってくれてありがとう!!」


撫でられるのも大好きだったわたるを、
二人でずっと撫でていました。

そしてわたるは、群霊さんたちに見守られながら、導かれながら、
静かに肉体からでていきました。



もう動かないけど、この姿は失いたくない。

剥製にしない限りそれは無理だとわかっていても、
でもやっぱりわたるの身体にいつまでも触れていたかった・・・・。

まだ残暑が続く9月です。
そんなに長くこのままでおいてはおけません。

以前見学しておいた霊園に電話をして、
次の日の午前中に火葬の予約をしました。


眠っているようにしか見えず、現実を受け入れられない一日
手作りおくるみに包まれて わたる


これから寒くなってきたときに、個室(キャリーケース)の下に何か敷くものをと思い、
ガーゼの生地を買ってきて縫っていました。

ミシンだと早くできるけど、わたるがミシンの音におびえるし、
ひと針ひと針、わたるが元気になるように心をこめて作りたかったので、
全部手縫いで作りました。

でも涼しくならないうちにわたるは旅立ってしまいました。

最後におくるみとして使ってもらおうと思い、
わたるを包んであげました。

リバーシブルです。
グレーに白の水玉。これはわたるのグレーと白のバイカラーをイメージして選びました。
そしてもう片面は、私たちが好きなマリン柄です。

いつも一緒にいられるように、という気持ちもこめて。


保冷剤でお腹を冷やして、夫とお花を買いに行きました。

群霊さんたちとわたるがお花のところにしばらくとどまってくれるからです。
花の精たちも、わたるの旅立ちを見守ってくれるからです。


最後の最後まで、自分で歩こうとし、お水を飲もうとし、
そして夫の布団の上だったけど、ちゃんとおしっこもすませ、
たくさん甘えて、二人に見守られて、
苦しくはあったけど、長引くことはなく、
生ききったわたる。

偉かったね。

次の週から、夫は立て続けに出張が入っていました。

わたるは何が何でも夫もいる日に逝きたかったのだと思います。

土日は夫がいてくれることを知っていました。
この日は金曜日だったけど、夫がいることがわかり、
9日を選んだのかもしれません。

本当に最後まで頑張って偉かったし、

本当に最後まで甘えん坊だね。わたるは。


この日の夜はずっとわたるのそばにいて、
ずっと撫でていました。

わたるの好きな、背中をとんとんしてあげながら、
楽しかった思い出話をし、
このわたるの可愛い姿を忘れまいと、
この柔らかい毛、ふかふかのお腹の感触を忘れまいと、
滲んでくる涙をこらえて、ずっと触れていました。












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最終更新日  2016.05.05 19:14:28
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