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pua honey@ あくあさんへ こんにちは! しまちゃんと京介のなんち…

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2011.09.10
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9日はわたるのお通夜だから、ずっと起きているんだ。
と思いながらも、布団に横になるといつの間にか寝てしまいました。

でもやっぱり夜中に何度も目が覚めました。

どうみてもねむっているようにしか見えないわたるを覗き込みながら、
「今日で本当にお別れなんだね」とそっと撫でてやります。

身体は硬くなってしまっているけど、
どこの毛もやわらかく、おなかはぽよぽよしたままでした。

どこもかしこも愛すべき存在です。

わたるのお腹に顔をうずめて匂いを嗅ぐと、
生前と同じわたるの匂いがします。

「わたるの匂い。変わらないね。わたるはいつもいい匂いがした。今も。いい匂いだよ」

何度も頬を寄せて、抱きしめて、「永遠に一緒。いつも一緒」とつぶやきます。

寝ている夫を起こさないように、
わたるをびっくりさせないように、
ひっそりと静かに泣きました。

そして、ここもここもここも・・・。
わたるの全身の感触を記憶に刻みこむように、
何度も何度も撫でながら泣きました。

6時半に二人とも起きて、
いつものように「おはよう。わたる」と声をかけます。

「ひゃっ」

声をかけるたびに、そんな風に返事をしてくれたけど、
可愛い声は返ってきませんでした。

「あーあ、わたるが・・・・」
「うん。。。。」

二人ともさみしくて、悲しくて。
でもちゃんと看取ってやったから、今日もしっかり見送らないと。

そんな思いが二人の間で行ったり来たりします。

朝食を終えたあと、
わたるもきっと最後の最後まで、
普段の我が家を感じていたいだろうと、
私は洗濯をして、夫はテレビをみたり新聞を読んだりしていました。

キキは、相変わらずわたるを見てシャー!と威嚇します。

「わたるはもう死んじゃったんだよ。」

そう伝えたけどキキはわかっていたのかな?

キキなりのバイバイだったのでしょうか。。。。


車ですぐ近くなので、予約時間の15分前に家を出ました。

「わたる。また戻っておいでね。」
「いつでもうちの子になってまたおいで」

そういいながら出発です。


霊園に着くと、ここで飼われている“ナナちゃん”がお散歩にでていました。
白に黒のぶち猫ちゃんです。

以前も会ったね、ナナちゃん。
おはよう。わたるをよろしくね。


わたるを預けて、準備ができるまでしばらく待っていましたが、
ここでは不思議と冷静でいられました。

現実逃避していたのかもしれません。

しばらくしてから準備が整ったと呼ばれ、
火葬室へと向かいました。

わたるはすでに白に布に包まれて横たわっています。

思わずわたるに駆け寄り、
布をとり抱きしめ、キスをしました。

「御焼香をどうぞ」と言われ、
夫と順番に済ませます。

その時、正面とは別のドアから猫の鳴き声がしました。
「にゃーにゃー」とないています。
どうやらナナちゃんのようです。

「ナナちゃんもわたるを見送りに来てくれたんだね。」


霊園の方が用意してくれたお花を飾っている間に、
私たちが持って行ったお花を、係りの方が飾りやすいように切ってくれました。


お花に囲まれたわたる。
これからもずっと一緒だよ

「わたる可愛いね。お花がとっても似合って可愛いよ」

おくるみで包んだまま火葬してもらおうと思っていたのですが、
できるだけわたるの骨だけをきれいに残したかったので、
おもちゃなども一緒にはせずに、
お花だけ飾ってあげました。

お花の精さんたちが最後まで同行してくれました。

「わたるのお腹の毛を少しとっておきたい」という私の要望に、
夫がふわふわの毛をちょっとだけ切って、持っていた袋にいれてくれました。

わたるのお腹の毛は、本当にふさふさでふわふわで自慢だったのに、
細胞診の検査のために刈られてしまっていて、あまり生えることなく最期を迎えてしまいました。

今思うと、この細胞診もやらなきゃよかったと思ってしまいます。

全部全部そろったわたるで見送ってやりたかった・・・・。


「これで最後のお別れになります」
と係りの方から告げられ、涙がこみ上げてきます。

「どうぞ声をかけて、たくさん撫でてあげてください」


わたるへの感謝の気持ちを伝え、
頬ずりをしキスをし、これでもかというくらい撫でまくり、
キリがないね、といいながら夫も私もその手を止めることができません。

「もういいね」「うん」

何回繰り返したことでしょう。


やっと気持ちを決めて、「お願いします」と係りの方に伝えました。

ゆっくり、ゆっくり、わたるが遠ざかっていきます。

取り戻せるなら取り戻したい。

今にも走り出したくなる衝動と、行かないで!という思いを抑えながら、
わたるの姿が鉄のドアの向こう側に消えていくまで、
しっかりと目を開けて見送りました。

「バイバイ。わたる」

「ありがとう。わたる」


外に出て、建物を振り返り、

「わたるはあそこから出てくるんだね」と煙突からでてくる煙を待っていました。

しばらくすると・・・・
天への道0910

煙がでてきて、わたるがまたもや群霊さんたちと花の精さんたちに付き添われながら、
天への道を昇っていくのがわかりました。


1時間ほどかかると言われていたのですが、
30分ほどで呼ばれ、お骨になったわたるとご対面しました。


「とてもきれいでしっかりした骨ですね」と言われ、
見てみると本当にたくさんのしっかりした骨が残っていました。

二人で小さなかけらになった骨まで拾いました。

これはどこですか?と聞きながら、優しく丁寧に骨壺の中に入れていきました。

爪も牙も残っていました。
どれもこれも愛らしく感じます。

びっくりしたのが、ドライフードが残っていたことです。

薄茶色の得体のしれないものがあったので何かと聞くと、
「ドライフードです。消化されなかったのが残っていたんですね」

わたるが最後にカリカリを食べたのはちょうど3週間前の土曜日の朝です。
食事らしい食事はそれが最後になりました。

3週間も消化せずにずっと腸の中に残っていたんですね。

この時、強制的に給餌をしなくて良かったと心から思いました。
がんばれ!と無理に治療もしなくてやっぱりよかった。

私がわたるを信じて、わたるの思うようにしてあげられて、
本当によかったと、やっと治療や強制給餌に対しての後悔の念から解き放たれました。

ずっと心の中に重い錨が沈んだように苦しかったんです。

治療を受けさせてやれば元気になったかもしれない。
無理にでも食べさせていれば、もっとちゃんと食べられるようになったかもしれない。

私は間違ったことをしているんじゃないだろうかって。。。


それにしても、ドライフードが消化されずに残っていたのにもびっくりしましたが、
灰にならずにそのままふやけた形で残っていたのはもっとびっくりしました。

どうして焼けてしまわなかったんでしょうか?
腹水がたまっていたから、その水分で焼けなかったんでしょうか?

不思議です。
と同時に、安全な食べ物だったのか?という思いも少しだけ浮上しました。


係りの方も猫を飼っていらっしゃるそうで、
わたるの話を辛抱強く聞いてくださり、
そして「毛並みがとてもきれいな猫ちゃんですね」と褒めてくださいました。
「グレーの色がとても珍しくてきれいです。」と。

やっぱり猫が好きな方だと、飼い主が喜ぶツボをしっていて、
たくさんほめてくれるのでうれしいですね。

最後に頭の部分の骨は崩れないように、慎重に私が壺の中に納めました。

「結構たくさんあったから骨壺も大きいね~」と夫が感心していうと、

係りの方が「お薬を使っていないと骨がしっかり残りやすいんですよ」と教えてくれました。


わたるの名前を貼ったカバーのかかった骨壺を胸に抱き、
係りの方にお礼を言い、霊園を後にしました。


猫の形をしていたわたるが、
今は骨だけになり壺の中に納まってます。

悲しくてそして不思議な気持ちです。

本当にこれわたる?

いつまでも現実逃避をすれば済むんでしょうね。

骨になってもまだ信じられない気持ちが渦巻きます。


わたる・・・・
もうすでに会いたいよ。

寂しいよ。






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最終更新日  2016.05.05 19:14:50
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