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2009年05月12日
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カテゴリ:「秘密」詩・小説
BLの苦手な方は読まないでください。

 猟奇殺人事件の苦手な方も読まないでください。

 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。

 何卒お許しくださいませ。


   手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート 


 その夜、薪は佐伯の家にいた。フランス料理を食べに行こうと

 言った佐伯に薪は家に行きたいと言ったのだった。佐伯は世田谷

 の邸宅に独りで住んでいる。古い洋館を思わせるアンティーク

 な家具。豪華なシャンデリア。絵画や壷などの調度品。この館は

 総てにおいて洗練されていた。

 「この家は古いのでお恥ずかしいのですが、亡くなった祖父の

 ものを譲り受けたのです。」

 「随分ときれいにしているな。住み込みのメイドでもいるのか?」

 「いいえ。月水金の週3日ヘルパーさんに来てもらっています。」

 「ふ~ん。じゃ、夜は独りか。夕食とかどうしている?」

 「外食ばっかりです。だからレストランを予約するって言ったのに

 せっかく薪さんが来てくれても冷蔵庫の中は空っぽで何も入って

 いませんよ。あ、そうそう、キャビアがあったかな。それから、

 お酒はドンペリで良いですか?」

 「フッ。あるじゃないか。」

 薪はニヤリと笑った。そして、チェストなどの家具を眺めながら

 こう言った。

 「素敵なアンティークだ。僕もアンティークに興味があってね。

 他の部屋も見せてもらえるかな。」

 「いいですよ。2階の寝室をご案内しましょうか?ベッドもキング

 サイズのアンティークですよ。」

 「それは楽しみだ。」

 「薪さん、寝室は階段を上がってすぐの部屋です。俺はシャンパン

 をとってきますから。先に行ってて下さい。」

 「わかった。」

 薪は微笑むとリビングを出た。階段は吹き抜けになっていて

 玄関ホールから美しい曲線を描いて2階へと続いていた。

 20世紀初頭の典型的な造りの洋館だ。おそらく佐伯の祖父が

 アンティークに凝っていて21世紀にそれらしく造らせたのだ

 ろう。薪は階段を上りながら考えた。バスルームはどこだろう。

 2階に上がると部屋がいくつもあった。寝室はすぐに分かったが

 他の部屋も見たくなって隣の扉を開けてみた。納戸だった。部屋

 の中に入ると右側の壁にもう一つ扉があり、巨大なベッドが置か

 れている寝室につながっていた。ここはウォークインクローゼット

 だった。青木の部屋より大きいと薪は思った。薪は無造作に

 積まれている衣装ケースや箱のふたを開けて中を覗いてみた。

 何個目かの箱を開けると、中に仮面が入っていた。連続殺人

 事件の犯人がつけている仮面と同じものだった。その時、佐伯が

 ドンペリを片手にウォークインクローゼットの扉を開けた。

 「何をしてるんです?」

 薪はとっさに何か言おうとしたが、黙ってしまった。佐伯はニコニコ

 笑いながら薪に近づき、いきなりドンペリで薪の頭を殴った。

 薪はドンペリの瓶が砕け散る音を聞きながら気を失った。

                            (続く)


   手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート 



     





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最終更新日  2024年02月27日 18時16分37秒
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