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2014年10月04日
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カテゴリ:「黒執事」小説

 BLの苦手な方は読まないでください。

 18禁です。

 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。

 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m


  
   手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート


 「正解。当たりだよ。弟は虐待する母親にキノコのお化けの

 幻覚でも見せて、怖がらせたかっただけだったんだ。

 ちょっとした仕返しのつもりが惨殺事件に発展してしまったんだ。

 おまけに自分まで死ぬはめになってしまったというわけさ。」

 とクロウは言った。

 「可哀相な子ですね。」

 セバスチャンが言った。

 「血の繋がった母親に虐待され、兄には利用され・・・哀れと思います。

 死神に魂を回収されないように逃がしたのは無実を証明する証人が

 必要だときっと思ったからですよ。お話の内容はよく分かりましたが、

 結果的に生き残って爵位を継いだ者だけが得をした惨殺事件を

 このまま事故として処理して良いものかどうか悩みますね。もしも、

 心の中で描かれたシナリオが手を下す前に起きた場合、たとえ真犯人と

 言えないとしても、陰で犯行に導いた者が悪くないと思いますか?

 幽霊になった今では爵位を継ぐ事は叶いませんが、クロウ男爵を真犯人だと

 女王に報告する事はできます。どちらになさいますか?」

 セバスチャンに聞かれて、幽霊の少年は

 「お兄様は悪くないよ。悪いのは僕なんだ。お兄様を真犯人なんかに

 しないで。お兄様は独りぼっちの僕にいつも優しかった。

 学校に行かせてもらえず、家庭教師に勉強を教わっていた僕の世界は

 キノコの森と狂ったクロウ家だけだった。お兄様に森に連れて行って

 もらって、キノコについて学んだり、呪術の本を見せてもらったり・・・

 友達のいない僕にはお兄様との楽しい思い出だけが心の支えなんだ。

 だから、僕は死んでもお兄様から離れたくなくて・・・

 お兄様とずっと一緒にいたいんだ。お兄様から指示は受けていない。

 僕が一人で全部やったんだ。本当だよ。」

 と言った。

 「分かりました。」

 セバスチャンは静かに答えた。シエルはもう何も言わなかった。

 人の心の中の真相は誰にも分からない。真実は一つとは限らないのだ。

 シエルは帰る事にした。

 屋敷の外に出ると、濃い霧が視界を妨げ、森が霞んで見えた。

 馬車に乗る時にクロウはお土産にマッシュルームをセバスチャンに渡した。

 セバスチャンはお礼を言って馬車に乗ったが、シエルはお礼を言わなかった。

 見送りに来た執事やメイドには幽霊の少年が見えていないようだった。

 馬車が出発するまで少年は手を振っていた。シエルは無言で少年にだけ

 手を振った。屋敷の敷地を出る頃、朝霧に包まれた森の中の屋敷は

 クロウの心のように霞んで、もう何も見えなかった。

                           (続く)






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最終更新日  2014年10月06日 20時25分08秒
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