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北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

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2005.12.28
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日本のメディアでは中国ビジネスのリスクを煽り立てる記事が増えているにもかかわらず、中国に投資しようと考えている日本の人たちは相変わらず多いようです。

かつては日本のトップ10に入るくらいの製造業の会社が、生産拠点を整えるために投資を行い、続いて販売網を整備するために投資を行い、更に開発研究センターを設置するために投資を行い、と地道にやってきました。コンサバティブながら安定した大企業が中心だったので、長い時間かけて徐々に投資額を増やしていくケースが多かったようです。このスピード感の欠如から、逃がした魚もたくさんいたようです。

ここ1~2年の傾向としては、日本の"投資家"たちの目先が、中国のIT系、ネット系、モバイル系分野に向いています。
こうした分野で既に日本国内で実績がある企業はもちろんのこと、日本や中国以外の地域でこの種の"現業"を営なんだことが無い企業であっても、日本の"金余り現象"の到来なのか、中国でこの種の投資案件を求めたりしるようです。

最近、北京でもホリエモンみたいに野心が漲る若手のIT系、ネット系、モバイル系の日本人実業家が増えてきました。「20億円で中国の企業を買収した」とか勢いの良いお話を聞く機会も多いです。
ターゲットにしている中国企業の多くは、欧米もしくは日本で留学後帰国して起業し、そこそこ事業規模が拡大すると、英領バージン諸島あたりにペーパーカンパニーを設立して、NASDAQあたりに上場し、IPOで大儲けしようと言う筋書きを描いているようなところです。
コンテンツ・プロバイダーやネット接続系の企業となると、中国では外資規制の対象になりますから、日本のマネーを"中国企業に直接投資することが難しいため、タックスヘヴンのペーパーカンパニーに投資するという方法で、間接的に投資するようなケースなどが多いようです。お互い、合弁会社にするとかそんな小難しい手続きをせずにやろうとするのが"いま風"のようです。

実はウチの会社は8年前、ある検索サイトから投資の依頼を受けたことがあります。200万RMB(約3,000万円)くらいのお話でした。
外資規制のため法的に支障無く直接投資はできないと、言う理由でお断りすることになったのですが、その会社はいまやNASDAQ上場の中国を代表するポータルサイトになってしまいました。逃がした魚は大きかったなぁ、と思う反面、仮に投資していたとしても、グレイゾーンの法的権利をどこまで執行できたかは疑問です。

中国側も日本側も新興勢力であればあるほど、既成の枠組みに拘らず投資案件を推し進めることができます。スピード感があって、良いことだと思います。
ただ、コンプライアンスなどと声高々に言うつもりは毛頭ありませんが、法的保護を受けない投資はより大きなリスクを伴うという点はおさえておいた方が良いでしょう。もちろん、法的保護下にある契約だからといって、安心できる国ではない、と言ってしまえばそれまでですが....

もう一つ懸念するのは、いま中国のこうした分野に投資して、大きなリターンが見込める案件がどれほどあるのか、と言うことです。ポータル、検索、オークションなどのサイトにしても、モバイル・コンテンツ・プロバイダーにしても、この国でも大きなところは固まってしまったと言う感じがして、中国の新興企業が一気に台頭するような環境では無くなっているのではないかと思っています。つまり、既に日本やアメリカなどの環境にほぼ達してしまっているのではないか、と言うことです。
もちろんブレイク・スルー可能なビジネスモデルやキーテクノロジーを独自に確保している企業や人たちもあるのでしょうが、数的には日本やアメリカより限定されるかもしれません。
この種の領域だと日本や欧米よりも"当て易い"と考えるのは、疑問です。

一攫千金を夢見て、中国のこうした分野に触手を伸ばすミニ・ホリエモンたちには、こうしたリスクを十分承知したうえで、頑張ってほしいものです。





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Last updated  2005.12.29 02:10:23
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