クロード・ウィリアムソン 『ラウンド・ミッドナイト(’Round Midnight)』
西海岸バップ・ピアニストの真価 クロード・ウィリアムソン(Claude Williamson)は、1926年生まれのジャズ・ピアノ奏者で、2016年に鬼籍に入っている。20歳代にカリフォルニアに移住し、西海岸(ウエスト・コースト)ジャズのピアニストとして、様々なセッションに参加した。アート・ペッパー、マックス・ローチ、バド・シャンクなど様々な共演者がいるが、単に器用なだけではなく、自らもリーダー作を多く残した。それらのうち、代表盤の一つと言えるのが、本作『ラウンド・ミッドナイト(’Round Midnight)』である。 このウィリアムソンという人は、脇役と主役の区別をはっきりと付けられる人だったのだろう。リーダー作の本盤では、明確に主役としてのピアノ演奏に徹している。テディ・ウィルソン、アル・ヘイグやバド・パウエルに影響を受けたとされるが、バップ全開のピアノ演奏を披露している。一言で表すならば、バド・パウエルを西海岸風にしたといった感じの演奏で、濃そう(曲の途中でしばしばそう感じることがある)でありながら、さらりとしている(1曲を聴いた後の印象は概ねこのようになる)という面白い特色のピアノ演奏である。 注目すべき演奏曲をいくつか見ておきたい。1.「星影のステラ」は、リーダー作としてピアノの存在感を存分に発揮しようという意気込みが伝わってくる演奏。テンポよく展開する4.「飾りのついた四輪馬車」は、後を引く演奏なのかと思いきや、聴き終えた後に残るすっきりした感じが印象的。7.「二人でお茶を」は、バド・パウエル風の疾走感がいい。9.「ラウンド・ミッドナイト」は、“濃くてさらり”というピアノ演奏の典型例と言えそう。結局のところ、クロード・ウィリアムソンのピアノを“白いバド・パウエル”と評するのは、あながち誇張ではないように思う。そして、聴いた後に感じるこのすっきりした西海岸らしさは、本家のバド・パウエルには到底できない所作なのだったりするのだろうと思う。[収録曲]1. Stella by Starlight2. Somebody Loves Me3. I’ ll Know4. The Surrey with the Fringe on Top5. Polka Dots and Moonbeams6. Hippy7. Tea for Two8. Stompin’ at the Savoy9. ’Round Midnight10. Just One of Those Things11. Love Is Here to Stay12. The Song Is You[パーソネル、録音]Claude Williamson (p), Red Mitchell (b), Mel Lewis (ds)1956年12月録音。 【中古】 ラウンド・ミッドナイト/クロード・ウィリアムソン 【中古】afb [枚数限定][限定盤]ラウンド・ミッドナイト (完全限定生産盤)/クロード・ウィリアムソン[CD]【返品種別A】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓