テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ
飽きずに聴き続けられるソロ・ピアノ盤
ジャッキー・バイアード(ジャキ・バイアード、Jaki Byard)は、1922年生まれのピアノ奏者。1999年に謎の多い射殺によって亡くなっている。チャールズ・ミンガス、エリック・ドルフィーや、ブッカー・アーヴィン、フィル・ウッズなど様々なミュージシャンと共演し、様々なスタイルの演奏を繰り広げたほか、サックスやトランペットも演奏するマルチなミュージシャンであった。 そんなバイアードの初レコーディングは、かつては1961年のものとされていたけれども、1980年代後半になって1960年録音の本作が日の目を浴び、この『ブルース・フォー・スモーク(Blues for Smoke)』が初レコーディング作ということが明らかになった。本作は、ピアノのみの楽器からなる、ソロ・ピアノ演奏盤である。 最初に本盤を聴いた時に筆者が抱いた感想は、バイアードは聴き手を楽しませてくれている、というものだった。それゆえ、この作品は通して聴いても決して飽きることがない。だが、繰り返し聴くにつけ、最初の感想はだんだん違うような気がしていった。この独自のピアノ演奏の世界は、作り出されたものではなく、自然に発露したものではないか。例えがよくないかもしれないが、セロニアス・モンクは、“奇才ぶり”を演出していたのではなく、素のままで“奇才”そのものだった。バイアードのこの独特のタッチや独特の間、そして何よりも演奏からにじみ出てくる“黒っぽさ”のようなものは、決してリスナーを楽しませるためではなく、彼自身が持っているものの発露と言えるんじゃないかと今では思っている。 上述の通り、どの収録曲(いずれも本人のペンによる)も楽しめて、なおかつ聴くたびに心を揺さぶられるのだけれど、見事な演奏の例をいくつか挙げると、4.「ピート・アンド・トーマス」、6.「フライト・オブ・ザ・フライ」、8.「ジャッキーズ・ブルース・ネクスト」、9.「ダイアンズ・メロディー」。いや、冒頭の連作2曲(1.「ホリス・ストンプ」と2.「ミラノからリヨン」)も外せない。表題曲の7.「ブルース・フォー・スモーク」もいいんだよな…といったわけで、結局は全編を聴くことになってしまう。筆者にとってはそんな作品だったりする。 [収録曲] 1. Hollis Stomp 2. Milan to Lyon 3. Aluminum Baby 4. Pete and Thomas (Tribute to the Ticklers) 5. Spanish Tinge No 1 6. Flight of the Fly 7. Blues for Smoke 8. Jaki's Blues Next 9. Diane's Melody 10. One Two Five [パーソネル、録音] Jaki Byard (p) 1960年12月16日録音。 ブルース・フォー・スモーク [ ジャッキー・バイアード ] [枚数限定][限定盤]ブルース・フォー・スモーク/ジャッキー・バイアード[CD]【返品種別A】 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023年01月11日 07時48分27秒
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