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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2010年07月26日
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テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ

黄金トリオの長尺4曲盤


 レッド・ガーランドのトリオで馴染みの、そして最高の組み合わせと言えば、ベースにポール・チェンバース、ドラムにアート・テイラーという組み合わせで、超有名盤『グルーヴィー』もこの組み合わせだ。本作『キャント・シー・フォー・ルッキン(Can’t See for Lookin’)』は、その『グルーヴィー』(1956~57年録音)の翌年に吹き込まれたもので、細かい動きまで互いを知りつくしたトリオが、総収録時間にして35分ほどという、長尺の4曲を演奏したものである。

 表題曲の1.「アイ・キャント・シー・フォー・ルッキン」(ただしアルバム・タイトルでは“アイ”の部分は省略されている)からして、何とも落ち着き払った演奏で始まる。2.「スーン」では少しテンポ・アップするが、必ずしもピアノの音数の多さは目立たず、やはり落ち着いた印象を受ける。3.「ブラック・アウト」もまた、まったりとしたテーマから始まり、音の間を生かしたピアノを演奏している。4.「キャッスル・ロック」は再びテンポを速めた演奏で、本盤中いちばんの盛り上げどころと思われるのだけれども、これまたどこか控えめな印象がぬぐえない。

 とまあ、各曲の感想だけ書くと退屈なアルバムかと思われてしまうかもしれないが、決してそうではない。控えめなピアノ演奏で最大限の効果を発揮する技術と力量につい聴き惚れてしまうアルバムなのである。一つには、他の同じ面子でのアルバムと同様、ポール・チェンバース、アート・テイラーとの息がぴったり合っているという理由がある。ドラムとピアノの絶妙の間は、繰り返し演奏をしているからこそこれだけピタリと合わせられるのだろう。ピアノとベースの出たり入ったりも同様で、場数のなせる技なのかもしれない(特にベース・ソロの前後にその息の合い方が顕著に表れているように思う)。

 そして、もう一つの理由は、ガーランドの“ある技法”にあると言える。ガーランドと言えば、カクテル・ピアノだとかブロック・コードだとかに衆目が集まるが、実は、“音を出さないこと”にも長けている。ミュージシャンにとって、“音を出さないこと”は勇気がいる行為のはずだ(そもそも音を出すことでミュージシャンをやっているわけだから)。だが、音と音の合間で音を出さないことは、出した音を生かすことになる。無論、それをするには技術面での絶対的自信も必要だろう。本盤を聴いていていちばん強く印象に残るのは、このレッド・ガーランドという人が、おそらくは意識的に“音を出さない”ことを試みている点である。そして、それをやっているからこそ、間延びした演奏や退屈な演奏になるのではなく、聴き手に対して落ち着き払った印象を与える盤に仕上がったのだろうと思う。その意味では、目立たない1枚だけれど、レッド・ガーランドの底力がじわりと伝わってくる盤である。



[収録曲]
1. I Can't See For Lookin'
2. Soon
3. Blackout
4. Castle Rock

[パーソネル]
Red Garland (p)
Paul Chambers (b)
Arthur Taylor (ds)

1958年6月27日録音
Prestige 7276





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Last updated  2010年07月26日 06時10分19秒
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