テーマ:クラシックロック(754)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
破壊力抜群の高レベル演奏ライヴ盤の真価(後編)
(前編からの続き) さて、ザ・フーによる名ライヴ盤『ライヴ・アット・リーズ(Live At Leeds)』(1970年リリース)の演奏について、手元にある1995年の拡充版(25周年エディション)に基づいて見ていきたい。 まず、オリジナル盤に収録された演奏の質が高いことに気づく。6.「恋のピンチ・ヒッター(サブスティテュート)」のキレと伸び、11.「サマータイム・ブルース」の重さを失わずに流れるような演奏、12.「シェイキン・オール・オーヴァー」の演奏の押しと引きのバランスといった具合である。代名詞的なナンバーである13.「マイ・ジェネレーション」は、15分近い長尺で、最初はいつものように演奏が始まるのだけれど、やがて『トミー』からの演奏を取り入れて様々な展開をしていき、最後の方は打ち合わせがまったくなかったのかのような謎な演奏が繰り広げられる。この奇抜な展開を含む流れこそが当時の彼らの“流動性”、そして柔軟性を示しており、原曲(および取り込まれた他の曲)を知る者にとってこんなにも面白いライヴ・パフォーマンスはそんじょそこらで簡単に出会うことはできない。 次に、1995年の再編集で加えられた楽曲群にも触れておきたい。1.「ヘヴン・アンド・ヒル」はオープニングに相応しい、力強さと緊張感を持った演奏であるが、スタジオ・ヴァージョンはこの演奏の時点ではまだ録音もされていなかった(数か月の遅れで録音され、「サマータイム~」のシングルB面として発売)。これに続く2.「アイ・キャント・エクスプレイン」も同じ力強さと緊張感が印象的だが、3.「フォーチュン・テラー」で力強さが全開になる。個人的にはこの部分に妙な興奮を覚える。 そうは言っても、緊張しっぱなしではなく、緊張とリラックスのバランスの取れた演奏が随所に見られるのも、本盤のよさなのだと思う。私的には4.「いれずみ(タトゥー)」、8.「アイム・ア・ボーイ」なんかにそうした部分がよく表れていて、さらには、10.「すてきな旅行/スパークス」に至っては、“余裕のある緊張感”(こんな表現で伝わるか不安ではあるけれど)が最高潮に達するように思う。 結局、ほぼ全曲近くに触れてしまったけれど、これは“聴かずに死ねないライヴ盤”である。筆者自身も未聴のデラックス版、さらにはセットリスト通りの全曲をいつか通して聴いてから死にたいと思っている(笑)。 [収録曲] ☆オリジナル版(1970年リリース) 1. Young Man Blues 2. Substitute 3. Summertime Blues 4. Shakin' All Over (以上、アナログA面) 5. My Generation 6. Magic Bus (以上、アナログB面) ☆25周年版(1995年リリース) 1. Heaven And Hell 2. I Can't Explain 3. Fortune Teller 4. Tattoo 5. Young Man Blues 6. Substitute 7. Happy Jack 8. I'm A Boy 9. A Quick One, While He's Away 10. Amazing Journey / Sparks 11. Summertime Blues 12. Shakin' All Over 13. My Generation 14. Magic Bus ![]() ライヴ・アット・リーズ +8/ザ・フー[SHM-CD]【返品種別A】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓ ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019年11月22日 19時23分48秒
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