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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2021年07月20日
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テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ
ジャズ・ギターの有名盤


 ジョニー・スミス(Johnny Smith)は、1922年アラバマ州に生まれ、メイン州で育ったジャズ・ギタリストで、2013年に死去している。早くに第一線から退いたため、作品数は決して多くないが、クール・ジャズの演奏者として1950年代に人気を博した。ベンチャーズ(ザ・ヴェンチャーズ)の演奏で有名な「急がば廻れ(ウォーク・ドント・ラン)」の作曲者としても知られる人物である。

 そんなスミスの代表盤と言えば、『ヴァーモントの月(Moonlight in Vermont)』である。スタン・ゲッツをフィーチャーした表題曲の1.「ヴァーモントの月」は、1952年にシングルとして好評を博した。この曲は、翌1953年に『ジャズ・アット・NBC』という10インチ盤に収録されたが、ややこしいことに、1952年にも同名タイトルの10インチ盤が出されていた。要するに、『ジャズ・アット・NBC』と題された10インチ盤が2つ存在し、1956年になってからこれらを1枚の12インチLPにまとめたのが、この『ヴァーモントの月』ということになる。

 そんな経緯に影響されたせいか、ジャケットも2種類が流通していて紛らわしい。一つは月の輝く風景にギターを弾くスミスの写真というもの。筆者の手元にあるのはこちらなので、何となくこれがしっくりくるのだけれど、もう一つ別のジャケットもよく知られる。ピンク地の背景にイラストでギターを弾くスミスが大きくあしらわれ、左下にはテナーを吹くスタン・ゲッツが小さめに描かれているものである。どうやら写真を使ったものの方がこの盤の元来のジャケットで、イラストのものは10インチ盤に由来するということのようである。

 いずれもテナー・サックスの入ったクインテット演奏なのだけれど、1952年から1953年にかけての複数回のセッションが含まれていて、ジョニー・スミス本人とピアノのサンフォード・ゴールド以外はセッションごとに異動がある。テナーは全16曲のうち、スタン・ゲッツが8曲で、残りは、ズート・シムズとポール・クイニシェットが4曲ずつである。全体としては、ギター演奏があくまでメインで、テナーがでしゃばり過ぎることはない(とはいえ、ゲッツ、シムズ、クイニシェットの個性の違いははっきり出ている)。ピアノ・トリオも全体的に抑え気味で、ムードよくギターを中心に聴かせようという意図があったかのように見える。それでいて、高度な演奏技術のギターをさらりと披露しているところが本盤全体としては注目したいところと言えるだろうか。

 個々の曲で筆者のお気に入りをいくつか挙げておきたい。1.「ホエア・オア・ホエン」のまったりした感じは、このアルバムのリラックス・ムードを象徴する演奏。アルバム表題にもなっている3.「ヴァーモントの月」も1.と同じ流れの中にある演奏で、スタン・ゲッツならではのサックスも相まって、ヴァーモント(行ったことすらないけれど)の月景色が浮かんでくる。面白いのは、「ジャガー」で、スタン・ゲッツが入った4.とズート・シムズが入った15.が聴き比べられる(個人的にはズートが参加した方に軍配を上げたい)。12.「チェロキー」も個人的にお気に入りで、難しいことをクールにさらりとやってのけるというジョニー・スミスの本領が発揮されている演奏だと思う。他にも個々の曲を挙げていくときりがないのだけれど、とにかく聞き流したい人にも集中して楽しみたい人にもどちらにも満足のいく盤というのは、どこにでもあるものではない。本盤はそういう性質をもった稀有の盤の一つでもあるのかなと感じる。


[収録曲]

1. Where or When
2. Tabú
3. Moonlight in Vermont 
4. Jaguar
5. Stars Fell on Alabama
6. Tenderly
7. (I Don't Stand a) Ghost of a Chance
8. Vilia
9. Cavu
10. I'll Be Around
11. Yesterdays
12. Cherokee
13. Sometimes I'm Happy
14. Nice Work If You Can Get It
15. Jaguar (別ヴァージョン)
16. My Funny Valentine



[パーソネル、録音]

Johnny Smith (g)
Stan Getz (ts, 1.~6.,13.~14.),Zoot Sims (ts, 7.~8.,15.~16.),
Paul Quinichette (ts, 9.~12.)
Sanford Gold (p)
Eddie Safranski (b, 1.~4.,7.~8.,15.~16.), Bob Carter (b, 5.~6.,13.~14.), Arnold Fishkind (b, 9.~12.)
Don Lamond (ds, 1.~4.,7.~12.,15.~16.), Morey Feld (ds, 5.~6.,13.~14.)

1952年3月11日(1.~4.)、1952年4月(7.~8.,15.~16.)、
1952年11月(5.~6.,13.~14.)、1953年8月(9.~12.)録音。




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Last updated  2021年07月20日 04時19分16秒
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