「びわ湖ホール・プロデュースオペラ」、ヴェルディ初演シリーズ最終回にぜひ!
オペラファンの方なら、「びわ湖ホール」をご存知の方は少なくないだろう。 大津市、びわ湖のほとりに建つ、環境抜群、音響抜群、のホールである。本格的オペラハウスとして、東の新国、西のびわ湖、というくらい素晴らしいホールだ。 開館は1998年。指揮者の若杉弘氏が芸術監督となり、さまざまなオペラ公演を行ってきたが、今や関東からもオペラファンが駆けつけるのが、ホールの「プロデュース・オペラ」として行われるシリーズ。これは開館当初から、ヴェルディの日本初演ものばかり取り上げてきたユニークなシリーズだが、もう9回目になる。「エルナーニ」のような初期の名作も、「シチリア島の夕べの祈り」のような、序曲はよく知られているグランド・オペラの大作もとりあげて、注目を集めてきた。 歌手をはじめキャストはすべて日本人だが、いつも一流どころをそろえていて、外国のかなりの水準の劇場に劣らないレベルに達していると思う。ベテランの市原多朗や、今をときめく福井敬も常連。若杉氏の人選なので、従来のオペラ団体のわくにとらわれないキャストが組めるのだ。 演出(鈴木敬介)はごくオーソドックスで、安心してみられるし、加えて、こちらはイタリア人による衣装、舞台美術が色彩感ゆたかで素晴らしい。特に衣装はいつも好評のようだ。 今年の演目は(10月28,29日)、1848年初演の「海賊」。ちょうど初期の終わりごろの作品で、旋律美が躍動するロマンチックなラブ・ロマンスである。ちょっと「トロヴァトーレ」のような感触の作品、といったらいいだろうか。 実はこのシリーズ、来年、10回で一区切りの予定だったのだが、残念ながら今年で打ち切りになることになった。若杉氏が来年から新国立劇場の芸術監督になることが決まったからである。来年は「レニャーノの戦い」が予定されていたのだが・・・かなり、残念・・・ というわけで、今年で最後。まだ見ていないオペラファンはぜひ!かけつけていただきたい。 実はツアーもやってます。10月の28日の初日を鑑賞する、1泊2日の日程で、大津駅集合、開演前に私が作品解説をやり、鑑賞後はホテルで、歌手の方(予定)と演出家を囲んでパーティ、翌日はホールで開催される「ワークショップ」に参加するという行程。ご興味のある方は以下にお問い合わせ下さい。ちなみに28日は、日本を代表するテノール、市原多朗、これも日本を代表するソプラノ、緑川まり、出口正子が出演します。 郵船トラベル 音楽ツアーデスク 電話03-5213-6240 http://www.ytk.co.jp 公演だけという方は、ホールのHPを。 http://www.biwako-hall.or.jp なお、10月1日2時より、「海賊」の公演について指揮者、演出家がトークをする「プレトーーク・マチネ」が中劇場であります。出演歌手とカヴァーによる実演(4曲)あり。私も作品解説で急遽出演することになりました。 改めて、これが最後です、お見逃しなく!