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イタリアでモロッコごはん

イタリアでモロッコごはん

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Delizia

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2005/03/16
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テーマ:海外生活(7769)
イタリア・ルッカの郊外のコンピト村で
椿祭りが開催されています。

世界中の椿愛好家が押しかけるこの椿祭り。
日本原産の椿の花は、ここイタリアでも凛とした姿で咲き誇っていました。

tsubaki


今まで知りませんでしたが、「お茶の木」も椿の一種だそうで...。
この椿祭りに毎年出席されている静岡の日本茶輸出組合の皆様からお声がかかり
茶道の師匠、S女史の助っ人として
お茶のデモンストレーションに参加することになったDeliziaですが...。


さ、茶道ですか?
お抹茶をいただいたことはありますが
茶道の「さ」の字も知らないDelizia。


という訳で事前に1日茶道詰め込み特訓日を師匠に設けていただき
見よう見まねでお手前を習ったDelizia。

「あの、見ている人みんな外人だから。
 間違ってもみんな解らないから、心配しないでいいですよ。」

って師匠に言われたって、しかし、心配です。
たった1日の練習の後に本番なんて...。
御正客の席に陣取り、3回もお抹茶をすすり、あやふやながらも練習終了。


とうとう本番の日がやってきてしまいました。
お迎えの車に乗り込み、コンピト村へと向かう師匠と私と友人leoさん。

会場のVilla Orsiという、椿の木でいっぱいのステキなヴィッラに着くと
お手前に必要な道具をせっせこ運び、
師匠が貸してくださったお着物に着替えます。


え?着付け?
出来ませぇ~ん...。

という訳で、時間は無いながらも
友人leoさんに着付けてもらうDelizia。

師匠が貸してくださった、師匠のお母様のそれはそれはステキな着物を
leoさんの手でキッチリ着付けていただいて、準備完了!

ヴィッラのお庭の会場には、サンサンと太陽が照りつけ
お着物でも暑いくらいの陽気です。


会場の一角に、日本からいらした日本茶輸出組合のテントが張られ
静岡茶の販売や、伝統的なお茶の手揉みの実演もされていました。


初めて手揉みを目にしたDelizia。
実演台の下にはガスで火が焚かれ、台の上には和紙が敷かれ
常に一定方向からお茶の葉を揉みこむプロの技。

この行程は6時間かかるそうで、ゆっくり揉みこむことによって
お茶の旨みをじっくりと引き出すのだそう。

手揉み中のお茶の葉を触らせてもらおうと思ったら
プロの方に手の平の匂いを嗅がれて、「ダメ」とのこと。

ほんの少しの化粧水やクリームの香りがお茶の葉につくだけで
解る人には解ってしまう「風味」が変わってしまうのだそうです。

この手揉み茶を淹れてもらってひと口いただくと...

トロリン...。
なんともまろやかな味が舌の上を転がります。

「な、なんですかぁ、これはぁ!」



お茶です。

信じられません!
今まで飲んでいた緑茶はなんだったのでしょうか。


適切な温度で適切に淹れられた最高級のお茶は
こうも違った「まろみ」を引き出すのです。


かなりショックを受けたDelizia。


そしてあれよあれよという間に
ぞろぞろとお客様がやってまいりました。

世界各国からいらした「国際椿協会」の会員の皆々様。
オーストラリアやらアイルランドやら、日本からも押しかけた椿愛好家の方々。
ご年配の方が興味深げにお茶のテントを見てまわられます。

お客様へのお茶の試飲や、お茶販売のお手伝いで
英語を喋らなければいけないのに、
やっぱり途中からイタリア語になってしまって頭混乱状態のDelizia。
昔は英語しか喋れなかったのに...撃沈。


さてさて、茶道のデモンストレーションのお時間がやって参りました。
3畳程の広さでセッティングされた畳の上で
師匠が炭を焚くところから用意した火鉢と茶釜がスタンバイしています。


そしてお手前開始。
一礼しなければいけないところは、師匠が目で合図してくれます。

まわりに座ったお客様にジ~ッと凝視されながら進められます。

お菓子をいただき、お茶をいただき、ズズッとすすり
あっという間に終わってしまって放心するDelizia。


しか~し!
終わった後に、師匠からあれほど教わった
お茶を飲み終わったらお茶碗の飲み口を指で拭いて
その手を懐紙で拭いて...という行程をスッカリ忘れていたことに気付き

撃沈...。

飲んだ後、ぷは~、もう一杯!って調子でお茶碗を戻していたのか...。

でも、もう終わってしまったし、
凝視していた外国人客には、私の「ド忘れ」なんて解らなかっただろうし...。
あんなに教えてくださった師匠へ、ゴメンナサイです。



私達の茶道のデモンストレーションが終わると
もうひとグループ、「煎茶道」の方達の用意が始まりました。

「煎茶道」なんてのも初めて聞いたのですが
あまり知られてはいないのですが、江戸時代からの歴史があるそうです。


sencha-dou

急いで撮ったので、あまりよく写っていませんが
これが煎茶道のお手前に使われるお道具達。

今回は「玉露」を飲むのに、おちょこのような小さなお茶碗が使われていました。

全てのデモンストレーションが終わって
私達のお仕事も一段落ついたところで
煎茶道の方達から、お手前ご一緒にいかがですか?
とのお声が掛かりました。

茶道の3人は喜んで参加。
師匠もどうやら初めてらしく、興味深々です。


今回淹れていただく玉露の場合
お湯はごくごくぬるめで淹れるので
冷ましている間におちょこのようなお茶碗を
お湯で温め、その後きれいに水滴を拭います。

小さな急須に、結構な量の茶葉を入れ
ぬるめのお湯を注ぎ、おちょこ茶碗にチョロチョロと注ぎます。

一番美味しいと言われる最後の一滴まで余さず入れても
お茶碗の半分程までしか注がれず
正直こんなに少ないの?と思いましたが
ひとくち口に含んだら....


ぬぉ~~~っ!


もう、これはお茶ではない!と断言したかったです。
「旨み」の凝縮された「だしスープ」とでも申しましょうか。

強烈にアミノ酸を感じさせてくれる本物の玉露を
これまた生まれて初めていただきました。

ほんの二口で飲み終わってしまう量ですが
その後、舌に残す余韻は信じられない程長く、長く続きます。

そして茶道とは反対で、お茶を飲み終わった後にお菓子をいただきます。
お菓子の合い間に二煎目が用意され、
これもまた違った味わいでいただきます。


本日はとんだカルチャーショックを受けました...。
こんなに味わい深く、美味しいお茶をイタリアで初めて飲むなんて...。
と、日本茶輸出協会の方とお話すると

「ここで飲まれたレベルのお茶は、日本ではなかなか飲めませんから!」

と仰っておりました。
どおりで...。こんな最高級茶は普通の家庭では出てこないワケだ。


どんなモノでも究極を追求し
本物の味を知っているかいないかで、
話が合う人や、果ては人間の幅まで変わってくるのではと思うと
さらなる究極の味を求めて突っ走ろうとココロに決めたDeliziaでした。



albero4さんのMosta delle Antiche Camelie della Lucchesiaにトラックバック。








































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Last updated  2005/03/19 05:53:15 AM
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 Re:茶道のデモンストレーション@椿祭りinイタリア(03/16)   turkuvaz さん
とても貴重な体験をされたんですね。
普通に日本で生活していたら味わえない最高級の煎茶、玉露を味わい、茶道や椿といった日本情緒に浸る・・・。
日本文化の奥深さにも感動でしょうが、そのような密度の濃いイベントが、ルッカ郊外の小さな村のような場所で開催されることにも私は驚きです。

私もそんなお茶、一度いただいてみたい・・・。 (2005/03/19 06:33:36 AM)

 Re:茶道のデモンストレーション@椿祭りinイタリア(03/16)   ジャスミン25 さん
お茶・・・大昔に習いましたよ。すっかり忘れましたが・・・。
お煎茶もやってました。
やることが多すぎて・・・覚えられない私・・・。
ひとつひとつの意味を理解すれば、全ては自然に出来る!らしいですが・・・。

しかし日本人として出来ないよりは・・・出来た方が良いですよね。


ちなみに・・・椿は大好きな花です!!!!
実家の庭は椿だらけ!!シーズンになると見物ですよ!!
イタリアで椿!!素敵~♪ (2005/03/19 01:09:16 PM)

 Re[1]:茶道のデモンストレーション@椿祭りinイタリア(03/16)   Delizia さん
turkuvazさん
>とても貴重な体験をされたんですね。
>普通に日本で生活していたら味わえない最高級の煎茶、玉露を味わい、茶道や椿といった日本情緒に浸る・・・。
>日本文化の奥深さにも感動でしょうが、そのような密度の濃いイベントが、ルッカ郊外の小さな村のような場所で開催されることにも私は驚きです。

>私もそんなお茶、一度いただいてみたい・・・。
-----

そうなんです。
ルッカの郊外でこんなステキな催しがあること自体
ビックリです。

イタリアでは日本文化の奥深さをこれでもか!ってくらい見せつけられます。
そして自国の文化の勉強不足を常々思い知らされます。
あぁ、お茶習い始めようかしら...。 (2005/03/20 07:19:55 AM)

 Re[1]:茶道のデモンストレーション@椿祭りinイタリア(03/16)   Delizia さん
ジャスミン25さん
>お茶・・・大昔に習いましたよ。すっかり忘れましたが・・・。
>お煎茶もやってました。

まぁ、お煎茶も!

>やることが多すぎて・・・覚えられない私・・・。
>ひとつひとつの意味を理解すれば、全ては自然に出来る!らしいですが・・・。

そうかも...。
理解不足でお茶碗の口を拭き忘れた私。

>しかし日本人として出来ないよりは・・・出来た方が良いですよね。

ハイ。恥ずかしいです。

>ちなみに・・・椿は大好きな花です!!!!
>実家の庭は椿だらけ!!シーズンになると見物ですよ!!
>イタリアで椿!!素敵~♪
-----
椿、奥ゆかしさがあっていいですよね。
そういえばうちの実家にも椿の木あったなぁ...。
(2005/03/20 07:24:51 AM)

 すっごいすっごい   albero4 さん
こんなにすごいことが行われていたのですか。
すごく天気もよかったしねぇ。
いけばよかったよぉ…。
すごく損した気分だ…。
来年は一緒に行きます!(決意)
静岡県民でお茶にうるさいとは言いながら、
やっぱり普段飲む家のお茶なんて
この足元にも及ばないし。
おいしいお茶を呑みたぁい!
玉露のお茶道、興味深いですねぇ。
それってエスプレッソの真髄にも
通じるものがあるのかも?!

こんな素敵な記事を
トラックバックしてくれてありがとう! (2005/03/20 07:51:30 AM)

 Re:すっごいすっごい(03/16)   Delizia さん
albero4さん
>こんなにすごいことが行われていたのですか。
>すごく天気もよかったしねぇ。
>いけばよかったよぉ…。
>すごく損した気分だ…。
>来年は一緒に行きます!(決意)
>静岡県民でお茶にうるさいとは言いながら、
>やっぱり普段飲む家のお茶なんて
>この足元にも及ばないし。
>おいしいお茶を呑みたぁい!

お茶もおいしかったのですが
ここにいらしていた静岡の方々が
ものすごくイイ味だしていて感激!
誇りをもって、日本文化を紹介されていて嬉しかったです。

>玉露のお茶道、興味深いですねぇ。
>それってエスプレッソの真髄にも
>通じるものがあるのかも?!

ホント。あの強烈さはエスプレッソに並ぶものがあります。

>こんな素敵な記事を
>トラックバックしてくれてありがとう!
-----
こちらこそ、椿祭りの存在を教えていただき
ありがとうございました!!
(2005/03/20 06:25:01 PM)

 Re:茶道のデモンストレーション@椿祭りinイタリア(03/16)   kiyomina さん
そういえば昔友人が煎茶道をやっておりました。
何じゃそりゃ?と思ってましたが、
おいしいお茶が飲みたくなってきました。
でもうちには番茶しかない...

エスプレッソだって苦いのに、イタリア人は平気ですよね。でも、日本茶は「苦い~」とか「ブロードみたい」て言いますよ。
夫は「お砂糖入れてもいい?」て聞きます。

Deliziaさんの着物姿みたかったなぁ。
(2005/03/21 10:15:55 AM)

 Re[1]:茶道のデモンストレーション@椿祭りinイタリア(03/16)   Delizia さん
kiyominaさん
>そういえば昔友人が煎茶道をやっておりました。
>何じゃそりゃ?と思ってましたが、
>おいしいお茶が飲みたくなってきました。
>でもうちには番茶しかない...

お茶もこだわればキリがなさそうですね。

>エスプレッソだって苦いのに、イタリア人は平気ですよね。でも、日本茶は「苦い~」とか「ブロードみたい」て言いますよ。
>夫は「お砂糖入れてもいい?」て聞きます。

一度私も試したことあります。
結構いけますよね、甘い緑茶。

>Deliziaさんの着物姿みたかったなぁ。
-----
私よりも、着物がステキなので
今度写真見てくださいね。
(2005/03/22 08:23:53 AM)

 Re:茶道のデモンストレーション@椿祭りinイタリア(03/16)   Ikukito さん
イタリアで本格和風な体験ですね!!

質問:日本から友人が来ると時々上等なお茶をもらうんですよ。
で、煎れてみたらまずい。ずっと水のせいだと思ってたけど。。。違うの??

こっちでまともな味のお茶が飲めたことがない、不幸なIkukitoでした。 (2005/03/22 06:18:51 PM)

 Re[1]:茶道のデモンストレーション@椿祭りinイタリア(03/16)   Delizia さん
Ikukitoさん
>イタリアで本格和風な体験ですね!!

>質問:日本から友人が来ると時々上等なお茶をもらうんですよ。
>で、煎れてみたらまずい。ずっと水のせいだと思ってたけど。。。違うの??

あ、水もかなり影響しますね。
あと、煎れる温度もね。熱湯は厳禁です。
なぜルッカでお茶のデモンストレーションをするかは
コンピト村の水が美味しいから
というのもひとつの理由だそうです。

>こっちでまともな味のお茶が飲めたことがない、不幸なIkukitoでした。
-----
ダメダメ、不幸って自ら言っちゃ!不幸が寄ってきちゃいますよ!

私はイタリアではあまり緑茶を欲しないです。
ガツンとカフェが欲しくなります。気候のせいかしら?
砂糖を使わないお料理のせいかしら?
「カフェを美味しく淹れられる水があるから幸せ」
と言いましょうよ!



(2005/03/23 01:26:35 AM)

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