別格文殊院-44番大寶寺
文殊院は四国遍路の祖といわれる衛門三郎の屋敷跡に立てられた菩提寺です。衛門三郎はこのあたりの長者で、強欲で無信心で、何度も托鉢に訪れた弘法大師を追い払おうと托鉢を投げつけたところ、8個に割れてしまった。その後8人いた三郎の子供たちが次々に急死する。ある日、枕辺にたった弘法大師を見て、改心した三郎は霊場を逆に回り、何とか弘法大師に謝ろうとするが、21回目の時にようやく大師に会えて、懺悔しながら息を引き取ったという。徳島の12番焼山寺と13番大日寺を結ぶ中間に、杖杉庵と呼ばれる小さなお堂が、三郎の亡くなった場所です。88箇所のお遍路を1,2,3と順に回るのではなく、8,7,6と反対に回る(打つと言います)事を「逆打ち」と言います。よほどの強い願いや修行などをする人が逆打ちをしています。さて、44番大寶寺は久万高原の山の中にあり、88霊場のちょうど中間の札所です。国道から折れ、橋を渡ったところに門が。その先は昔は門前町だったのでしょうか?急勾配の石段を登っていくと、左右両側に鐘楼がありました。初夏の緑に映えて、お寺がきれいです。