カテゴリ:森田番外編
ジョゼフ・マーフィー牧師によると、私たちの意識のうち自分で自覚できる顕在意識は全体の10%であり、それ以外の90%は潜在意識(森田でいう無意識)といって、自覚していない中で生活している。
これは車の運転でとてもよく理解できます。 車の運転は無意識に体が反応して適切かつ正確な行動がとれています。 ほとんどの人、ほとんどの場合そうなっています。 反対にもしチェンジレバー、アクセル、ブレーキなどの場所や動きなどにとらわれて、意識がそこに引きつけられるようなことがあると、とても危険極まりないことになります。 初心者のうちは意識的な行動は仕方ありません。しかし、ある程度経つと無意識的行動に変化してこないと支障をきたすようになるのです。 森田ではとらわれた時は、注意をそこに向けて感覚が高められた状態であるといいます。それが、いつの間にか無意識の状態に変化してきたときが、症状から解放された時だと説明されています。 私はチンドン屋で曲がりなりにも、アルトサックスを吹いている。そのことがとても実感できるのです。 初めてやる曲は、もどかしいほどゆっくりゆっくり指使いを覚えていきます。 テンポやリズムは上手な人の模範演奏をPCM録画機に録音して、何回も聞いて感覚を掴みます。 それを何回も何回も繰り返すのです。バカになって練習を繰り返すのです。 カウンターを持って100回。200回と繰り返すのです。 同じ曲ばかりやっていると飽きるので、他の曲などで気晴らしをしながら、またその曲に戻るのです。何日も何日も繰り返すのです。 500回から1000回繰り返していると、譜面がなくても、暗譜で指が動いてくれるようになります。練習というのは恐ろしいものです。不思議なことが起きるのです。 無意識に手が勝手に正確にキーを押さえている。あとで振り返ると意識していなかったのに、うまく吹けたという状態が増えてくるようになるのです。 その時意識は邪魔になってきます。無意識で演奏できないと間に合わない。曲になっていかない。 ところがたまに迷いがでてくることがあります。この次はどこのキーだったかなとか、うまく吹けるかなという一瞬の迷いです。 また本番中に少し色気を出して、感情豊かに吹いてやろうなどと思うと途端に調子を崩すことがあります。 また仲間のしぐさなどが気になると間違いやすいのです。 つまり無意識の状態になって、淡々と指の動きに全幅の信頼をおいて、まかせきっている時がうまくいく時なのです。 普通観念では、意識していないと間違いが多いように思いますが、それは認識の誤りです。 無意識にならないと音楽は成り立たないのです。言葉ではうまく言えないところがあるのですが、たしかにそういう「はまる」「そうしたゾーンに入る」ということがあります。 ここで私が何を言いたいかというと、無意識のうちに体が動いたり、自然に行動していたりする瞬間を作るということが大事なのではないかということです。 最初のうちは意識して、なんでもかんでもとりあえず行動しますが、しだいに無意識の行動に変化してこないと物事はうまく展開してゆかないのではないかと思うのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.09.14 16:28:21
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