カテゴリ:森田番外編
玄侑宗久さんの「まわりみち極楽論」より引用します。
奈良の薬師寺の和尚さんがこんな話をしてくださったそうです。 芽が膨らんで、いろんな可能性が芽ばえてくる春は、生まれてから30歳まで。 花も大部分は春に咲きますね。 そして夏は、その枝葉がどんどん茂って成長を続けるわけですが、 これは60歳まであります。長い夏でしょ。 秋にはこれまでのしっかりした枝葉から実が稔ります。 人生の果実は61歳から90歳まで採れつづけるわけです。 この時期には木々は紅葉します。常緑樹もありますが、美しく紅葉する木が多い。 しかもこれは花よりも美しい木が多い。 なぜかといいますと、花は、生物としてはあくまでも花粉を媒介してくれる 虫とか蝶とか鳥に、自己アピールしているんですね。 自己主張のための美ですからなんとなくあざとい。 しかし紅葉というのは死にゆく途中の葉の様子が、たまたま美しいのです。 私はこれを読んで思いました。 森田理論を深めて、行動にまで落とし込んで生活している人は輝いています。 若いころは右往左往して、苦しみぬいたけれども、その苦しみのおかげで森田理論に 出会うことができ、そのおかげで素晴らしい人生を送ることができた。 神経症という苦しみがなければ、こんなにも味わいのある人生は送れなかった のではないのか。神経症に万歳と叫びたい心境です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.12.21 17:40:24
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