カテゴリ:森田番外編
山田洋二監督の「小さいおうち」をみた。
戦時中、山形から東京へ女中として住み込んだ人の話であった。 ちょっと涙が出る場面があった。 山田洋二作品は、「幸福の黄色いハンカチ」「たそがれ清兵衛」「武士の一分」 「母べい」「おとうと」「東京家族」「男はつらいよ」などを見てきた。 共通するのは、生きるのに不器用な人、時代の波に翻弄されて不本意な生活を余儀 なくされる人、自分の思いが遂げられない人、家族の人間関係がぎくしゃくしてい る人が出てくる。 山田監督は何を訴えたいのだろうか。私は次のように感じる。 人間だれしも問題や課題を抱えている。 生まれた時から過酷な運命を背負っている人もいる。 時代のうねりの中で問題や課題を抱える人もいる。 それらは自分一人の力ではどうしようもない、理不尽な重荷を背負わされる人も多い。 このどうにもならない時代や運命に翻弄されるのが人間の宿命なのではなかろうか。 その中でのたうち回り、なんとか生を紡いでゆく。 逆に言うと、食うのにも困らない、経済的にも裕福だ。良い仕事についている。 自然災害にも遭わない、戦争や争い事にも無縁だ。家族も多く仲が良い。 そんな人が果たして何人いることか。仮にそんな人がいたとしても、幸せな人生である とはいえない。問題や課題を抱え、頑張ったからと言って状況が好転することは少ない。 断ち切れない思いをたくさん抱えて、やむなく一生を終えてしまうことが多い。 それが生きるということですよ。でも簡単に人生を投げてしまってはいけない。 寿命が来るまではのろくてもいいから一歩、また一歩と前を向いて歩まなければいけない。 人間の幸せということを考えた時、課題や問題を抱えて、立ち向かうそのプロセスの中にこそ幸せはある。私はそんなことを教えてくれていると思う。 森田先生が教えてくれた、努力する中に幸せはある。いい言葉だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.02.01 07:58:27
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