カテゴリ:観念重視から事実重視への転換
今月号の生活の発見誌の64ページに次のような記事があった。
自分を縛っている価値観「かくあるべし」はたくさんありますが、今まではそれを治そうとしてきたように思います。 今回、学習会(これはオンラインによる学習会のことです)が進んでいくうちに、 かくあるべしに気づいて自覚するだけにしておいた方がいいと分かりました。 よいところに気づかれていると思います。今日はこのことについて私の考えを投稿してみたい。 森田理論を学習しない人は、 「かくあるべし」が悩みや葛藤を産んで自分を苦しめているということが理解できません。 それだけではありません。自分の周囲の人たちに「かくあるべし」を押し付けて苦しみを与えているのですが、そんな事は思いもしません。 また、自然を人間の都合のよいように自由自在にコントロールしていますが、その弊害についても無頓着です。その結果逆に自然から手厳しいしっぺ返しをくらっています。 原子力発電所から出る核廃棄物、地球の温暖化、オゾン層の破壊、巨大台風、森林破壊、酸性雨などの問題はそうではありませんか。 「かくあるべし」という自己中心的な考え方、完全主義、完璧主義、理想主義、コントロール至上主義の考え方を、前面に押し出した結果、もはや抜き差しのならない迷路に迷い込んだようなものです。 森田理論では「かくあるべし」という上から下目線ではなく、現実や現状、事実から、目線を少し上にあげて、努力精進するプロセスが、人間が本来の生き方であると言います。 「かくあるべし」については、森田理論学習によって、その成り立ちや弊害をよく理解することが必要である。これは神経症で悩む私たちだけではなく、人間に生まれたもの全ての人が理解する必要がある。 自覚が深まれば、たとえ「かくあるべし」が出てきても反省することができるようになる。 「かくあるべし」の弊害がわかれば、次に取り組むべき課題は、 いかに「かくあるべし」を減らしていくかということである。そのために取り組むべき事は次のようなことである。 ・事実をよく観察する。事実こそ私たちが行動する出発点である。 ・事実を伝える時は、できるだけ具体的に話すようにする。推測、先入観、決めつけはやめる。 ・「純な心」を応用する。一言で言ってしまえば、 「かくあるべし」が出てくる前の感情、いわゆる直観とか初一念と言われている感情を重視する。 「かくあるべし」が出てくれば、 「ちょっと待て」と自分に言い聞かせて、最初に感じた感情を思い出すようにする。改めて 「純な心」に立ち返ることが大事なのである。 ・相手との対話では、 「私メッセージ」を活用する。「私」を主語にした会話を心がけるようにする。 「私は・ ・ ・と感じた」 「私はあなたが・ ・ ・してくれたら嬉しい」 ・相手と意見の対立があるときは、まず相手の言い分をよく聞く。そして自分の思いも十分に伝える。そして双方が納得できる妥協点を見つけていく努力をしていく。 とりあえず私が勧めているのは、以上5点である。 これを自分の生活の中に取り入れて実践するだけで、 「かくあるべし」は相当減ってくる。 生まれてこの方ずっと「かくあるべし」的教育を受け続けてきているので、急激に変わる事は不可能である。これが私が森田理論学習は生涯学習であるという理由である。 2歩前進1歩後退の様に行きつ戻りつしつつ、生活をしていくことが肝心である。 「かくあるべし」が少なくなってきた状態は、葛藤や苦悩が急激にその勢力を弱め、自分にも折り合いがつけられるし、他人との人間関係、自然との向き合い方も全く違ったものとなる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.11.26 06:30:06
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