カテゴリ:森田療法と他の療法について
私は第35回森田療法学会に生活の発見会の会員として参加することができた。
11月11日、12日熊本大学で行われた。 森田理論学習を続けている人が、日本森田療法学会に参加することの意義について考えてみたい。 •この学会には当然のことながら、森田療法を牽引している著名な学者、医師、臨床心理士、生活の発見会の会員などが多数参加している。そういう人たちの研究成果の発表の場なのである。 私たちの生活の発見会は、自助グループとして参加している。 自助グループが積極的に毎回発表者を送り込み、参加が許されている学会はあまりないだろう。 それは神経症の治療成果を上げているので、学会がその存在を認知しているからである。 ともあれ日本を代表して森田療法に関わっている人たちなので、その人たちのお話を聞くことは大変意義がある。また日ごろ森田理論の疑問点などがあれば、専門家に気軽に質問することができる。 •最先端の森田療法の治療例を間近に聞くことができる。 また医師や臨床心理士がどのような手法や気持ちで神経症治療に当たっているのかよくわかる。 一応外来森田療法の指針があるが、その手法はそれぞれの専門家の思いが反映されている。 森田療法自体は基本的には薬物を使わない、いわば儲からない心理療法なので森田療法に携わっておられる専門家には頭が下がる。 •今回の学会は熊本で行われた。今年の大会テーマは、 「森田療法と五高」だった。 第五高等学校が森田先生の母校と言うこともあり、高校時代の森田先生の下宿先、エピソードなどが余すところなく紹介された。人間森田正馬を深めることができた。 普段の森田理論学習ではほとんど聞くことができない貴重な内容となった。 •学会前には、詳しい演題内容を記載した冊子が渡される。 これをあらかじめ、よく見て自分の関心のある演題に印を付けておく。 そうしないと同時進行的に最大4カ所の会場で学術発表が行われているので、どの演題を聴講しようかと迷うことになる。 4カ所の会場で行われているので、自分の関心のあるテーマの会場に足を運べばよいのである。 •今回、私は一般演題として発表する時間をいただいた。ただし、時間は10分間である。 このブログで紹介している「森田理論全体像」のさわりの部分だけを発表した。 物足りないものであったが、発表者が多いので仕方がない。その後質疑応答があった。 その中で印象に残っているのは、「思想の矛盾は放っておけばよいのでは」という意見だった。 臨床現場では、神経症で日常生活などか滞っている人や葛藤や悩みの深刻な人を対象として治療している。神経質者がどのような生き方を目指してゆけばよいのかという面(北西先生が言われる生き方モデル)については、積極的には意識が向かないのだと感じた。 逆に言えば、神経質性格者の「生き方モデル」に焦点を当てて取り組んでいるのは、自助組織の生活の発見会が一番だなと感じた。 それだけ自助グループ生活の発見会の存在は、社会教育の面から見ても貴重な存在なのである。 学校教育面でも、今や人類の存続のためには「森田人間学」という分野を取り入れる時期に入っている。 •ともあれ、この学会は生活の発見会の会員も参加を許されている。 そのために我々の学習仲間も多数参加されている。 来年は9月初旬に東京で開催される。私は東京は無理だが、今後あまり遠くない所で開催される森田療法学会には参加してみたいと思った。生活の発見誌に案内が載るので、皆さんも1度は参加されることを強くお勧めしたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.12.04 07:51:04
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