カテゴリ:純な心、直感、初一念
私は以前、短縮版の「生き生きワークショップ」を受講したことがある。
その時に、 「初一念ノート」について学んだ。 これは、日々の生活の中で、直感、最初に浮かんだ感情などについてメモしていくことである。 100円均一で買った小さなメモ帳に、意識して書いていくのである。 私も早速この小さなメモ帳に沸き起こってきた感情をどんどんメモしていくようにした。 腹が立った。恐ろしかった。心配だった。やる気が出ない。恥ずかしい。きまりが悪い。悲観的になった。ねたましかった。憂鬱だ。絶望的だ。傷ついた。惨めだった。 等々の感情がわき起こったのを逃さずにメモしていった。 これを10日ぐらい続けた。 50個ぐらいになった。 理想を言えば、 1ヶ月とか、 3ヶ月に渡って継続すればよいのだが、なかなか難しい。 それでも、時々思い出して、取り組んでみることが有効である。 これは「純な心」を生活の中に定着させていくのに役立つと感じた。 「純な心」とは、出来事に遭遇して最初に湧き上がってきた素直な感情のことである。 ここから出発して行動すれば間違いが少ないといわれている。 この感情は、ともすると瞬間的に沸き起こって直ぐに消えてしまう。 そして、 「かくあるべし」で固められた初二念や初三念にとって変わる。 これは素直な感情とは言い難い。 常識、道徳、規範、ルール、先入観、決めつけ、言い訳、自己保身などが含まれている。 森田理論では、最初に沸き起こってきた素直な感情をとても大事に扱うのである。 でもその感情は、意識しないとすぐに消えてしまうのでキャッチすることはとても難しい。 それを意識付けするのにこの「初一念ノート」が役に立つのである。 それが経験的に分かってくれば、普段の生活の中で、初二念や初三念に振り回されそうになったとき、 「ちょっと待てよ、この場合の初一念は何だったのだろう」と立ち止まることができるようになる。 これが「かくあるべし」を少なくして、事実本位の生活態度の養成に近づいてくるのである。 例えば私がよく出す例で説明しよう。 中学生の娘が家に連絡もせずに夜遅くになってもなかなか帰ってこない。 親は何か事件にでも巻き込まれたのではないかととても心配になる。 友達の家に電話をしたり、警察に届け出をしようかと考える。 そのうち娘は何事もなかったように帰宅する。 その娘に向かって親は、 「今何時だと思ってるんだ。いい加減にしろ」と怒りを爆発させる。 こんな時、初一念を学習していれば、怒りが出てきたときに、 「ちょっと待て」と立ち止まることができる。 そして、 「お父さんとお母さんはとても心配していたんだよ。でも無事に帰ってくれてとても嬉しい」などと、初一念の感情を思い出して対応することができるのである。 この初一念の学習と実践は、 「かくあるべし」を少なくして、事実本位の態度を養成するためにとても大きな役割を果たしている お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.04.07 12:47:19
コメント(0) | コメントを書く
[純な心、直感、初一念] カテゴリの最新記事
|
|