カテゴリ:人間関係、不即不離
相手を自分の意のままに取り扱うことが習慣化している人は、「かくあるべし」が強い人です。
相手はこうすべきである。こうしなければいけない。 などと言う考え方で付き合っていますので、相手はたまったものではありません。 夫婦でしたら家庭内別居、離婚につながります。それは子どもにも悪影響を与えます。 相手の存在、やることなすことを非難、否定、軽蔑、無視している人は、相手を上から下目線で見下ろしてコントロールしようとしているのです。 こういう態度で生活している人は、反対に他人から非難、否定、軽蔑、無視されることにとても敏感になります。生きることがつらくなります。 どちらにしても、人間関係は対立関係に陥り、自分を護ることにエネルギー投入せざるを得なくなります。神経質性格者の持ち主でしたら、容易に神経症の発症につながります。 この征服欲、コントロール欲求は、完全主義、完璧主義、理想主義、目標達成第一主義などと同じようなものです。観念の世界を優先して、それを現実に当てはめていこうという態度です。 森田理論ではこのようなかくあるべしを前面に押し出すことが、思想の矛盾(頭で考えていることと現実や事実に乖離が生まれること)を招いて、神経症の発症に結びついているとみなしているのです。 この弊害から抜け出すためにはどうすればよいのか考えてみましょう。 普段の生活の中で、一つには、他人に役立つことを見つけて実践することだと思います。 溺れている人を助ける。線路から落ちた人を助ける。生活に困っている人に援助する。 こうした大きな事ばかりではなく、できるだけ小さなことを見つけて実践するという習慣を作ることが大切だと思います。 生きがい療法の岡山県の伊丹先生は次のように言われています。 1、他人に言葉をかける。挨拶をする。 2、自分の持ち物を貸してあげる。 3、労力を提供する。例えばごみを拾うとか。 4、自分の持っている知恵、情報を提供してあげる。 5、他人の話を聞いてあげる。 6、暖かい言葉をプレゼントする。 日常生活の中で、相手を非難、否定することをぐっと抑える。 そして反対に相手に役立つことを絶えず探しているという態度に切り替えるのです。 集談会でこんな話を聞きました。 バスに乗るとき小銭で支払う人は、事前に小銭を用意しています。 あたりまえのことですが、これも人に役立つことだと思います。 確かにそうです。高額紙幣では支払えないことがあります。 酒屋からビールを配達してもらっているが、そのとき「よく冷えています」というシールが2本張ってあった。これも小さな親切ですね。 そんなサービスをしている店がないので余計に感動を与えたのでしょう。 サービス業についている人からこんな話を聞きました。 一度来てくれたお客様が、何度も来店してくれないと店はつぶれてしまいます。 リピーターを増やすことが商売をするうえで大切になるのです。 相手の期待値以下の品ぞろえ、鮮度、雰囲気、価格、清掃、接客、駐車場、駐輪場しか提供できないと、リピーターにはなってくれません。当然と言えば当然のことです。 消費者は他店のサービスや接客内容などと厳しい目で比較しているのです。 反対に悪い噂を近所に拡散するので、やがてお店は立ち行かなくなります。 相手の期待を裏切らないサービスを提供していると、なんとか次も来てくれます。 しかし、競合店が多いと、他の店で自分の店よりも魅力のある品ぞろえ、接客態度、低価格、鮮度、店の雰囲気、駐車場、駐輪場、清潔感などで差を付けられるとこれまたじり貧になってきます。だから当たり前のサービスの提供だけでは、生き残っていけない時代になっているのです。 そこでいかにお客さんにとって魅力のあるサービスを付け加えることができるのかと考え続けることが大切になるのです。イヤイヤではなく、いかに差別化を図り、自分の店の独自性を打ち出すことに情熱を傾けることができるのか。これが勝負の分かれ目となります。 従業員のすべてがサービス精神であふれている店が繁盛店となるのだそうです。 それらすべてを満たすことは難しいので、この1点だけはどの店にも負けていない。 独自で他店がまねができないオリジナリティを打ち出しているかどうかが問題になるのです。 むしろそのサービスが抜きんでていて、お客様から感動の言葉をかけていただける。 できれば感動で目頭を熱くされるようなサービスを作り上げていきたい。 期待値を大きく上回る感動を与えられる店にすることが目標だというのです。 こういう気持ちで仕事をしていると、相手に「かくあるべし」を押し付けることはなくなると思います。相手の気持ち、要望に応えていると、相手は気分をよくするので、人間関係が対立することがありません。 私たちも相手を意のままにコントロールしたいという気持ちを封印して、何か人様に役に立つことはないか、感動のおすそ分けができないかと考えることで、人間関係は大きく改善できるのではないでしょうか。幸い私たちは小さなことによく気づくという長所を持っています。 それを人間関係の面に活用して、人の役に立つ人間になりませんか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.04.03 06:20:04
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