カテゴリ:最新の脳科学
最近の脳科学の進歩は目を見張るものがあります。
森田先生が活躍されていた時代にはなかったことです。 現在、不安や恐怖、違和感や不快感で押しつぶされそうなとき、大脳のどの部分が活動しているのかはほぼ解明されています。 また、積極的、プラス思考の時の脳の活性部所とその仕組みもほぼ解明されています。 私は神経質者が不安にとらわれないために、森田理論学習の中で最新の脳科学を学習する意味は大きいと感じています。 その一環として、私が作成している森田理論の学習テキストに、「最新脳科学を応用した不安への対応方法」を付け加えることを考えています。 まず、どのような人が最先端の脳科学の説明をされているのか説明します。 興味のある方は参考にしてください。 ・林成行 優れた救命救急医 「望みをかなえる脳」という本が優れています。 分かりやすい。脳科学を人生に活かすという視点に共感する。 この本が一番のお勧めです。 ・西田文郎 脳科学と心理学をビジネス、スポーツなどに応用されている。「かもの法則」「No.1メンタルトレーニング」「ツキの大原則」など著書があります。 どの本も分かりやすい。実践的ですぐに役に立ちます。 ・池谷裕二 脳の基礎研究をされている。「海馬」「脳には妙なクセがある」「進化し過ぎた脳」などの著書がある。理論的で内容が深い。 ・廣中直行 いい気持ちはどこから生まれるのか 「快楽の脳科学」「やめたくてもやめられない脳」という著書がある。 少し専門的になっている。良書です。 ・萩原一平 「ビジネスに活かす脳科学」「脳科学がビジネスを変える」という著書がある。脳科学を仕事に応用するという視点が強い。内容自体は専門的です。 ここではごく簡単に大脳の働きを見ておきたい。 五感から得た感覚は扁桃核で快か不快に分類される。 快に分類されたものは、ドパミンにより報酬系神経回路(A10神経)を通じて大脳全体に拡散される。最終的には創造や分析を司っている前頭前野に送られる。 その好循環の輪の中で、加速度がついて意欲的・積極的・建設的な行動が生まれてくる。 不快に分類されたものはノルアドレナリンにより青斑核に送られて、防衛系神経回路が作動する。この回路は専守防衛が基本となる。 ネガティブでマイナス感情が大脳全体に拡散される。 そういう情報が前頭前野に届くと、行動は消極的・逃避的・内省的となる。 神経症の場合に問題となる不安や恐怖、違和感や不快感は、この防衛系神経回路が大脳を駆け巡っている状態です。 本来は報酬系神経回路の発動がフル回転している方が好ましい。 その行き過ぎを抑制するために、防衛系神経回路を適宜活用する。 神経症の方の場合は、報酬系神経回路が休眠状態で、防衛系神経回路が大脳全体を覆っている。苦悩が増悪するスパイラルに入っています。これが問題です。 この仕組みが分かれば、今度は報酬系神経回路を活性化するためにはどうするか。二つの神経回路のバランスをとるためにはどうするかという問題になります。 今までの森田理論学習に、この視点がすっぽりと抜け落ちていたと思います。 これらをすっきりさせて分かりやすい理論として提供したいと考えています。 しばらくお待ちください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.02.11 16:22:32
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