カテゴリ:人間関係、不即不離
森田汐生氏のお話です。
森田氏は、「アサーティブ」という、対人関係のコミュニケーションスキルとその考え方を教える仕事に携わってこられました。 「アサーティブ」とは、「自分が考えること、感じること、希望していることを、自分も相手も尊重したやり方で表現する手法」です。 「伝え方」を工夫することで、相手への伝わり方は変わります。 アサーティブなテクニックを使うことで、自分の言いたいことが正しく「伝わる」ようになります。 でも「伝わる」ようになることが、アサーティブの目的ではありません。 コミュニケーションを変えていくことで、手に入れたいもの・・・相手とのより豊かな関係を築くこと、そして自分自身が幸せに生きられること。 それが、「アサーティブに伝える」ことの根本にあります。 (なぜ、身近な関係ほどこじれやすいのか 森田汐生 青春出版社 4ページ) アサーティブ理論の、自分の考えること、感じること、希望していることをきちんと表現するというのは、森田理論の「純な心」に通じるものがあると思います。 人間は成長過程で身につけた観念的な思考や社会的な常識などが、意識しないうちに前面にしゃしゃり出て、大きな存在感を誇示するようになります。 その圧倒的な力のもとで、自分の本音、素直な気持ち、感情、意思、欲求、欲望などが抑圧されてしまうことが多くなります。 森田理論は、自分の本音、素直な気持ち、感情、意思、欲求、欲望を大切に取り扱う理論です。 森田理論では、このことを「純な心」と言っています。 アサーティブ理論では、「純な心」を自分も相手も尊重したやり方で表現することが大切になると説明されています。 森田氏は相手の依頼を断るような場合、アサーティブな対応をとることを提案されています。アサーティブな「ノー」の伝え方には2つのステップがあるそうです。 1つ目のステップは、次のように「自分に問いかけること」です。 ・自分はどうしたいのか。 ・「ノー」という理由はどこにあるのか。 ・代替案はあるのか。 2つ目のステップは、「気持ちが伝わる言い方を考える」ことです。 ・相手の善意やメッセージをきちんと受け止める。 ・自分の状況を説明して「ノー」の理由を伝える。 ・代替案・関係をつなぐひとことを添える。 たとえば会社員の場合、定時に帰宅しようと思っていたところ、上司から急ぎの仕事を頼まれることがあります。 このような場合アサーティブな対応をするとどうなるでしょうか。 ・自分の意志に反して無理やり引き受ける前に自分の本音、素直な気持ちを大事にする。その気持ちに寄り添うことが大切です。 ・まず仕事の内容をよく聞いてみる。特にいつまでにやる必要があるのか。 時間はどれくらいかかるか。自分一人でできるのか。 話を聞く前にいきなり断ると上司と険悪な関係になります。 ・特段用事がなければ、それを引き受けることも考えられます。 体力的、精神的に疲労困憊でエネルギーが枯渇している場合があります。 そういう場合は先にエネルギーを補給した方がよいということになります。 家族や友人と約束があれば、常識的にはそれを守ることが優先されます。 ドタキャンして信頼関係を壊したくない。 よほどのことがない限り、その依頼はお受けできないことをしっかりと伝える。 ・次に代替案・関係をつなぐひとことを添える。 自分の代わりにやってくれるような人を探す。 疲労困憊しているので少し休ませてほしい。 その代わり明日早く出社してやることは可能ですと伝える。 すぐにと言われたときは、先約があるので今から断ると先方に失礼になります。 どうしてもと言われれば、友人との約束を果たしてから引き返しすことは可能ですが如何でしょうかと聞いてみる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.04.25 06:20:05
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