カテゴリ:認識の誤り
集談会の仲間が20代のころ水谷先生に面会されたときのことです。
その方は神経症の為に仕事をされていませんでした。 水谷先生は、一通り話を聞かれた後で、「すぐに仕事を始めなさい」「君は自覚が足りないな」と言われたそうです。 神経症を治すための具体的なアドバイスを期待していたので拍子抜けしたそうです。 水谷先生が言われた「自覚」とは何でしょうか。 自覚とは自分の心身の状態を正しく理解することだと思います。 自分の心身の状態が全く自覚できていないことが極めて多いのが現状です。 また井の中の蛙状態で、間違って解釈している場合も多々あります。 独りよがりの自覚では、世間から浮いてしまいます。 神経症者は神経症があるから日常生活が維持できない。 神経症があるから仕事や人間関係や子育てがうまくいかないなどと考えます。 日常生活の悪循環や仕事に行けないことを、神経症のせいにしています。 神経症を克服してから、行動に移ろうとする傾向が強いのです。 これは認識の間違いです。つまり自覚が足りないということになります。 水谷先生は、神経症を治すよりも、まず社会人として一人前の仕事をすることのほうが大事だと言われています。 どんなにとらわれが強くても、規則正しい生活習慣を身に着けて、日常茶飯事を丁寧にこなしていく。 どんなに辛くても「月給鳥」になったつもりで仕事に行く。 神経症で苦しくても普通人として生きていくことを説明されています。 森田理論では、形を整えるようにすれば、時の経過とともに、悩みは解消していくといいます。 靴がそろえば、心がそろう。 これは集談会で聞いた言葉ですが、まさにその通りだと思います。 こういう自覚ができて、実際に行動できるようになることが大切です。 自覚を深めるためには、森田理論学習によって認識の誤りを学習することです。 神経症の成り立ち、神経質性格のプラス面、感情の法則、行動の原則、不安の特徴と役割、不安と欲望の関係、「かくあるべし」弊害、事実本位の生き方、生の欲望の発揮、治るとはどういうことかという学習で自覚を深めることができます。 一人で学習するよりも仲間と学習することで理解が深まります。 自覚を深めるためには、他人に自分のことを分析してもらうことが有効です。 自分のことは自分が一番よく知っているというのは、一面ではあたっていますが、必ずしもそうとは言えない面が多々あります。 たとえば自分の身体の健康状態は自分ではよく分かりません。 他人から客観的に見てもらうことで自覚が深まります。 精神的な問題も自分なことなのに肝心なことほど自分ではよく分かりません。 正しいと思っていることが、森田理論に照らし合わせてみると間違いだったということはよくあります。 森田理論に詳しい人から認識の間違いを教えてもらうことは大切です。 そのために集談会や生活の発見会のSNS(JUPITERなどのZOOM学習会)を活用した学習会・交流会に定期的に参加されることをお勧めいたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.04.20 06:20:08
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