電車やバスの中で、夫から借りた小説「そして、バトンは渡された」(瀬尾まいこ)を一気に読み終えました。
森宮優子、十七歳。継父継母が変われば名字も変わる。だけどいつでも両親を愛し、愛されていた。この著者にしか描けない優しい物語。 「私には父親が三人、母親が二人いる。 家族の形態は、十七年間で七回も変わった。 でも、全然不幸ではないのだ。」 身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作。
映画にもなってたから、題名は知ってた。優子は愛されて育ち、不幸だとは思ってない。
小学生の頃、友達が一番だと思って、ブラジルへ赴任する父親についていかず、後悔したこともあった。
高校生の時、友達やクラスの女子に無視されることがあっても、「友達が一番とは限らない。
時間が解決するだろう」と平静を保ってるのがすごい。それを冷静に見守る教師も。
20歳しか違わない「父」と気まずくなったときの方が、勉強やピアノの差しさわりが出る。
自由奔放な継母に振り回されるけど、それにもわけがあった。優子の為に病気を隠して・・・
映画の秘密は別と書いてあったから、映画のネタバレにはならないかなw
魅力的な父・母に囲まれ、それぞれの環境に適応して生きていく逞しさ。
中学の時はピアノに逃げ込んでいるようなこともあったが。
その3年間だけでピアノがそこまで上達するなんて。高校の合唱祭の伴奏者になったことで、
運命の出会いもあった。早瀬君のピアノが聴いてみたいと思うほどの描写でしたね。
人柄も自由気ままで面白い。「父」が心配して反対するのも分かるけどね。
暗くなく、明る過ぎるのではと思うほどだけど、こんな家族があってもいいなと思える話でした。