「永すぎた春」(三島由紀夫)を読みました。
T大法学部の学生・宝部郁雄と、大学前の古本屋の娘・木田百子は家柄の違いを乗り越えてようやく婚約に辿り着いた。ただひとつの条件は、一年三ヶ月後の郁雄の卒業を待って式を挙げること。晴れて公認の仲となった二人だが、変わらぬ清い関係に物足りなさも覚え始める。そこへつけ込むかのように誘惑と計略が仕掛けられ――。軽やかな筆致が冴える恋愛長編。
タイトロジー(タイトルを読む)
婚約にはたった一つ条件がついていた。
郁雄の父が、郁雄の卒業まで式を挙げさせないつもりだ、と主張したのである。そこで婚約期間は、今年の一月から来年の三月まで、一年三ヶ月の永きにわたることになった。百子は今すぐにも結婚したい気持だったが、郁雄は婚約まで漕ぎつけたあとは、二人が信じ合っている以上、もう結婚したのも同じだというのであった。(本書12ぺージ)
「永すぎた春」は慣用句としても使用されるほど有名なタイトルですよね。
ネタバレになるけど、最後は飽きて別れるのかと思っていたら違ったw
2人は安定した関係に退屈だったけど、いろいろな計略、浮気心?に翻弄されたりと、
刺激があって、かえってうまくいったようだ。
時々作者の意図を、そのまま「作者は・・・」と書いたりして面白い。
軽い感じだけど、人生なんてこんなものか?と思わせてくれる。