劇「送りの夏」(東京演劇アンサンブル)を観ました。
あそびあーと⭐︎こども劇場いるまに来た招待状で。
パンフレットも貰って、開演前に読んでたので、大体あらすじはわかっていました。
小6の麻美は失踪した母がマネキンハウスと呼ばれる若草荘に居るのを突き止め、夏休みに訪ねていく。
母は見知らぬ男性のマネキンと住んでいた。
他にもマネキンと暮らす人々が居る。
読んだだけでは違和感があったが、観ているうちに、麻美同様、なんとなく受け入れてしまっていた。
亡くなった人のマネキンなんだろうと思いつつ、生きてるかのように扱い、話しかける人々。
いつまでこんな暮らしを続けるんだろうと思ってしまった。
幼児の海里がまた?交通事故にあったことをキッカケに、両親が海里を船で海に送る決心をする。
13歳の啓太を見て、海里が生きてたら同い年と言うから、約10年も諦めきれずに、こうしていたのか。
海に送る場面の演出が素晴らしかった。屋外への扉が大きく開き、光が差し込んできて、希望の光のように感じた。
少しずつ船が動き、幕の向こうにいき、扉が閉じてまた暗くなる。
本当に海の向こうに送ったようだった。
この演出はこのホールならではかもしれないが。
また、麻美の父親の康之が、「信じてると信頼は違う。
信じてるは、こうなって欲しいという一方的な気持ちだが、
信頼は、理解出来ないことも含めて、その人の気持ちに任せらせる」と言ってたことに共感した。
妻と同様、娘も信頼してるというのは凄い。
妻がなぜ若い男性の直樹のマネキンと暮らしてるのか理由は訊かない。
ただそれが今必要なことであることだけはわかってるから、娘と待ってると言う。娘も。
凄いなあと思ってしまう。またそれを綺麗事とか感じさせない自然さも良かった。
観劇中よく寝てしまう私が、集中して入り込めましたね。
演技も子どもは子どもらしく見えたし、全体的に無理がない。
もちろん大人びた子どもだけどね。
久しぶりにいい劇を観たという感じでした。