カテゴリ:高校生の話
テレビを見ていたら高学歴で、やたらプライドの高い新人社員が会社を辞めちゃうという場面を放送していた。
「プライドなんているのかなあ。」 と長男が行った。 「私はいると思うよ。」 「なんで?邪魔なだけじゃないの。 学校の奴らは自分が侮辱されるとすごく怒るんだよ。 でもオレはへらへらしておしまい。」 「へええ。」 プライドってなんだろう。 「いいんじゃないの。別にそれで。 別にバカにされてたって聞き流してれば。」 私もこの手の場面でいちいち怒るのもめんどくさくて そのままにしてしまうことは多い。 どうでもいいと思っていたりする。 「じゃあ プライドって何?」 「ううーん。よくわかんない。 でも、自分で自分を貶めないってことかな。 たとえば自分で決めた目標を最後まで投げ出さずにやり通すとか。」 「うーん。」 「山本周五郎の小説にね、 自分を馬鹿にしてくる同僚の言葉を聞き流していた主人公が、 小説のラストで罪を犯して藩を脱走していくその同僚を 上役の許可を得て、追いかけていって 物語の主軸となっている主人公の弓の腕を生かして 逃げていく相手をみごと射抜くシーンがあるの。 私は山本周五郎のそういう話が好きなんだけどね。」 山本周五郎の作品はすばらしい。 テレビの時代劇とは違って、江戸時代を中心とした小説が多いが、 その時代の武士や一般の庶民の暮らしぶり、 武家の奥さんたちの生き方が描かれていて その時代の考え方ゃ価値観がよくわかる。 そしてそういう小説を通して山本周五郎の考え方を読み取ることができる。 凛とした精神(こころ)の美しさが描かれているように思う。 なかなか山本周五郎の作品は読み終わらない。 もったいないので読破しないでとっといてあるのかも。 それにしてもプライドってなんだろう。 ところでくだんの同僚、裁判もなしに殺されちゃうなんてあんまりじゃないのかな。 ↑この本 本屋さんでみかけたの。やっぱり買えばよかったなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年12月04日 10時17分06秒
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