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2006年06月03日
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カテゴリ:外国映画 さ行
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こんなに自然の風景の美しい戦争映画は初めてです。

人は自然の中から生まれ、自然の一部のはずなのに、自然を破壊する。その島に住む人々のことも、自然のほかの生命のことも考えずに、爆撃を繰り返し、自分達の都合だけで戦争を繰り返す。人間はいつの間にこんなに傲慢になったのだろう。

自然に、神に、与えられた自分の命を与えられた分だけまっとうして、自然に穏やかに死の時を迎えたいと願い脱走を繰り返すウィット。

戦場の恐怖を愛する妻のためだと、妻との日々の記憶を繰り返し思い浮かべることで紛らわそうとするベル。

この戦闘の結果がこの後のアメリカ軍全体の戦況に大きく影響することがわかっていながら、目の前で自分の部下達を殺すことになる命令を決断できずに戸惑う隊長スタロフ。

恐怖のあまり、胃痛をおこして最前線で立ち上がることもできない一歩兵。

兵達の体調や安全などよりも自分の出世と名誉や勲章のことしか頭にない指揮官。

南の美しい海、抜けるような青空。丘をわたる風の音。撫でるように渡っていく風にゆれる戦場の中の丘の草。まるで草いきれの匂ってきそうな草原。戦士達はその中を銃をかかえて、突撃していく。

ガダルカナルは太平洋上の小さな島にすぎないのだけれど、この島に飛行場を作り、この島を抑えることでその後の戦況に大きく影響する要所なのである。本国の作戦司令室の中にいる参謀達には、その島にいる島民のことも、そのほかにも多くの命があることも、自然の美しい景観があることも、もちろん思い及ばない。

ところでアメリカ軍が必死に突撃を進め、日本軍のトーチカを落とし次々に襲ってくる日本兵を倒していく時、なんと私は思わず心情的にアメリカ兵の味方をしてしまった。日本人だって言うのに、日本兵が来た時、「危ない!早く撃ち殺せ!」と思ってしまいました。これはアメリカの映画で、アメリカ軍側の話なので、見ている側はアメリカ兵に感情移入してしまうのですね。アメリカ人がアメリカ軍サイドにたってみている分には当たり前なのだけれど、自分は日本人だっていうのについ、アメリカ側にはいりこんでいる自分がいて、愕然としてしまったのです。つくづく怖いよね。

戦場でいつ死ぬかわからない恐怖。人を殺した事で傷ついていく兵士達の心。けれど、一番怖いのはそういう恐怖や、痛みに慣れてしまうことだ。人は慣れるものだ。繰り返しつづく戦闘の中でいつか、戦う恐怖も人を殺す痛みも感じなくなってしまうかもしれないという、そのことこそが最も恐ろしいことなのだろう。

戦場の兵士は指揮官達にとっては武器の一部、ただの戦争のための道具にすぎない。戦場で兵士達の一人一人は自分が人として扱われていないことに絶望する。自分達はただの雑草にすぎない。ただの土くれにすぎない。自分たちは既に人でなく、それでも、なお、戦うのはなぜだ。

戦いの恐怖を妻を思うことで紛らわせてきた、妻のためと思うことで必死に絶えてきた、その妻は愛していたはずの夫がそばにいない寂しさゆえに他の男の下へ走る。それでは、いままで自分が妻のためと戦ってきたものはなんだったのだ。お笑いだ。自分はこの戦闘はなんだったのだ。

そしてまた、兵士達はガダルカナル島から、更に次の戦場に運ばれていく。四角い箱のような輸送ボートに詰め込まれている兵士達は、まるでただの荷物にしかみえない。

空と海ばかりが美しい。

『シンレッドライン』その1もお読みください。



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最終更新日  2011年12月14日 10時28分46秒
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