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2006年10月27日
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カテゴリ:外国映画 た行
舞台は古代から中世のあたりのイギリス。まだ、国として統一される以前。ブリテン島の民族とアイルランドの民族は反目しあっていた。ローマ帝国崩壊により、ローマの圧制からは開放されたものの、アイルランドからの勢力に屈服させられている日々。敵対するアイルランドを倒さなければ、ブリテン島コーンウォールに平和は来ない。そんな対立する二つの勢力に属する二人の男女の恋物語。

映画『キングアーサー』の少し後の時代の物語かもしれません。
実は私この時代のお話大好きなのです。

トリスタンとイゾルデ


久々のヒット。スゴーく良かった。以下、ネタバレ。そして、公式ページ

ハーレクインヒストリカルを読んでるような感じでしょうか。
なにしろ、ストーリーをまったく知らないので、二人は結ばれるのか、どうなるのか、はらはらし通しだったのでした。

『トリスタンとイゾルデ』は古くからイギリスに伝わる伝承の物語で、そののち、ワーグナーによって歌曲にされ、多くの人に親しまれている物語のようです。また、シェイクスピアの有名な戯曲『ロミオとジュリエット』の元ネタでもあるそうです。

もともとの伝承では、イゾルデの母親によって作られた媚薬を、間違えてトリスタンとイゾルデが飲んでしまったために、二人は恋仲になる。しかし、イゾルデはコーンウォールの領主マーク王の妃。というわけで、不倫のお話なんですね。このお薬を飲むところとか、二人の家柄が対立するものであるところが『ロミオとジュリエット』のモチーフになったのでしょう。

しかし、今回映画では、ストーリーが練り直されていて、媚薬は出てきません。毒を受けて、仮死状態になり、船に乗せられて流されたトリスタンが流れついたのが、イゾルデの住む城の近くの海岸。そこで二人が出会い、瀕死のトリスタンを看病するうちに二人は恋仲になっていく。わりに今見ていても不自然でない恋の展開です。そして、イギリス側の騎士であるトリスタンとアイルランドの王女であるイゾルデがお互いのことをまったく知らずに惹かれあっていくところがなんとも絶妙の設定です。みているこっちははらはらするもの。

そののち、すっかり回復して、イギリスに戻ったトリスタンがイゾルデの城を訪れ、イゾルデをコーンウォール王の妃として迎えるための試合に出る。二人はお互いが誰か知らない。イゾルデはトリスタンが勝てば自分の夫になると信じてはらはらしながら見ています。

しかし、運命は過酷ですね。トリスタンの勝利によってイゾルデがイギリスコーンウォールの王マークの妃になる事が決まってしまいます。

王妃となったイゾルデを忘れられずにいるトリスタンのぼーっとした愁いに沈む風情がいいんだよ。

そして、イゾルデの結婚のシーンがものすごく幻想的で素敵なのです。背中になにかの樹木(何でしょう。しらべるべき?)を飾って船に乗ったイゾルデが夫の待つ式場までいく。このシーンが素敵だった。

イゾルデが結婚した後も結局二人は、忘れられず、ふたたび、関係を持ってしまう。
こりゃ絶対ばれるぞばれるぞと思っていたら、やっぱりばれちゃって。
でも、この王様がイゾルデにぞっこんなんですよね。よっぽどいい女なんでしょうね。もちろん美人だけどね。
だから一層二人の事を知った後は怒り心頭なんでしょうね。

でも、実は結婚する前から、二人は出会っていて、その時すでにひかれあっていたのだという話をイゾルデから聞いた王様は二人の事を許してくれます。そして、船に乗って逃げるように手配してくれます。いい男じゃないかー。イゾルデがトリスタンと出会っていなければ、そのまますんなり王様に惚れたんじゃないでしょうか。ほんと運命って皮肉。

ところで突っ込みたいのは、瀕死のトリスタンを助けるため、いきなり、イゾルデが裸になってトリスタンを抱きしめるシーン。いくら、相手は死にそうといっても見ず知らずの男相手に、うら若い乙女がこんな事って出来るものなのかなあ。私なんかだと、きっとどうしようどうしようとうろうろしてるうちに相手が死んじゃったなんてことになりそうです。

これってやっぱり運命?

そののち、アイルランドが攻めてきて、トリスタンは死んじゃうんだよ。つまり最後はやっぱり悲恋なんですね。せっかく許してもらったのに。ああ、もったいない。

もう、最後まではらはらしまくりの作品でした。

伝承と変えてあったので、絶妙の設定をフルに生かしたラブストーリーとなっていました。現代社会じゃこんな悲恋もうないものね。

基本として、ランスロットとギネギィアの恋物語がどうしても浮かんできちゃいますけどね。似てるから。

この時代こんな事よくあったのかなあとか、思っちゃう。そういえば、源氏物語も父親の帝の妃と関係しちゃう物語だものね。
こういうシチュエーションて、やっぱし一番面白いんでしょうね。禁じられた恋ほど盛り上がるものらしいし。

ところで、この映画見ててやっぱり、イギリスとアイルランドっていうのはねやっぱり別物なんだなあと、思いました。この頃からこんなに反目していて、今もイギリスとアイルランドってもめてるでしょう。ブリテンの中のほかのケルトとか、アングロとかいろいろいた民族はまとまってイギリスになったのに、アイルランドはどうしても、混ざらなかったという事はやはりまったく別の民族なんでしょうね。だとすると、やはり、アイルランドは無理に併合しないで、独立国家として、政治は分けたうえで連合国家にしといたほうが平和なんじゃないかと思うんだけど、ところで、今現在のブリテンはどうなってたっけかしら。

でも、映画の中では、アイルランドの方が強いんですよね。そのあと、イギリス本土の方は民族が連合して戦っていった事で、アイルランドより勢力を強める事が出来たのでしょうか。結束って大事ですねえ。



   ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」名場面集  トリスタンとイゾルデ  トリスタンとイゾルデ  ケルトの神話・伝説  


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トリスタンとイゾルデ@映画生活







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最終更新日  2006年10月27日 09時44分52秒
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