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カテゴリ:【本】書店
著者は、東京・荻窪の新刊書店「Title」店主。
『小さな声、光る棚 新刊書店Titleの日常』 辻山良雄 幻冬舎 2021年
ウェブサイト「幻冬舎plus」に掲載された連載(2016年12月〜2021年2月)がもとになっている本です。 1つのエッセイにつき、3ページほどで読みやすい長さでした。
本は、ただそこに存在するだけで、様々な情報を発していますよね。 例えば、本のタイトル、表紙、帯の文章。
書店に行く時にはワクワクしていても、本棚の間を歩いていると、本が発している情報が無意識のうちに自分の中に入ってきて、次第にその情報量に圧倒されてしまいます。 気づくと苦しくなっている……というような感覚で、書店を出る頃には疲れていることも度々。 (書店の規模が大きいほど、本の数が多いので、そうなってしまいがちです。)
今回読んだ本でいうと、この本のタイトルにもある「小さな声」の本もあれば、「必要以上に大きな声」の本もある……。 「必要以上に大きな声」の本が置いてある書店では、その声の大きさからも影響を受けて疲れてしまうのかな、と、この本を読んで思いました。
その他、印象に残った文章。
「本棚は体の外に取り付けた脳みそのようなものなので、それを太らせることで、そこにある知や感情の総量は増えるだろう。買うだけ買ってまだ読んでいない本でも、そこに並んでいるだけで、充分自らの仕事をはたしているのである。」(p.98)
「街に店があるとはその街に住む人の本棚に責任を持つことでもある」(p.114)
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最終更新日
2023.08.02 07:21:29
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