|
カテゴリ:【本】書店
著者は、熊本の「橙書店」店主。
エッセイ、読書日記、書評をまとめた本です。
『これはわたしの物語 橙書店の本棚から』 田尻久子 西日本新聞社 2023年
「最後の読書 本屋の死に方」というエッセイの中で、「添い遂げる本」という言葉が出てきて、私にとっての添い遂げる本は何だろう……とぼんやり考えました。
大学時代に入院した時は、分厚い文庫本を何冊も読んでいました。 でも今年がんで入院した際は、文章を読む気になれず……。
人生の最後。 読むとしたら。そばに置いておくとしたら。 私は一体、何の本を選ぶのでしょうか。
その他、印象に残った文章
「本を読むと想像力が鍛えられる。想像力が増す、ということは人の痛みに敏感になるということだ。人の痛みに気づきやすい人は心配事が増える。 それでも、人の痛みを見過ごすよりはずっといいと思ってくださる方は、バトンを受け取ってくださるとうれしいです。」(p.11)
「子どもの頃に私の背中を後押ししてくれるような大人は周りにいなかったが、本や音楽や映画が代わりを果たしてくれた。でも、その背後には必ず、それらを世に送り出してくれた人々がおり、それらの音や言葉を引き出すのは、日々を営む大衆の声だ。だから大人は、向かう方向を間違わないよう、子どもの視線を気にして生きていかなければならないのだと思う。」(p.31~32)
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.09.01 08:22:36
[【本】書店] カテゴリの最新記事
|