2005~22年度の、日本国内の電力需要と電源別発電量
電力や原発を語る際の「基礎知識」に関する記事です。 2022年度までの日本国内の電力需要と電源別発電量がまとまったので、グラフを更新しました。 私見は、グラフの下に書きました。 グラフを踏まえた私見は別途書いていますが、3.11(フクイチ核災害)の教訓と被害を踏まえた上での、私自身の、電力・エネルギーに関する大前提は以下の通りです。①「核技術を動力源・エネルギー源として用いることは、法的に即時且つ恒久的に禁止すべき」②「日本国内の『原子炉』の設置・利用目的は、核廃棄物の管理・処理・処分、核施設の廃止措置に資する研究開発や人材養成に限定し、且つ、設置数・最大出力にも法的な縛りをかけるべき」 上記2点は、基本的な立場として譲れません。 グラフの無断転載・引用は御遠慮下さい。 拙ブログのグラフはB5サイズ以上のタブレットやPCで閲覧する事を前提に作成しています。グラフはクリックすると拡大されますが、見難い場合はペイント等にコピペしてご覧下さい(Windowsの場合)。グラフ1 日本の電力需要・電源別発電量 年度毎推移(2005~22年度)グラフ2 日本の火力発電の燃料別発電量(2013~22年度)(リンク)出典●電気事業便覧(2017年度は無料ダウンロード可能)●電力調査統計 一覧(経産省)電力需要のトレンドは減少傾向 グラフから読み取れる現状を順不同で簡単にまとめます。①ポスト3.11の原子力(核発電)の発電量は、2021年度が最大。②電力需要は21年度に上昇した後、再び減少に転じた。電力需要のトレンドは減少傾向。③所謂「自然エネルギー」(風力・太陽光・地熱)の年間発電量が初めて300億kWを突破した。2016年度以降、発電量は着実に増えており、6年間で約2.3倍の伸び。④火発(火力発電)の燃料別発電量は石炭が横倍。カーボンフリーの取り組みは進んでいない。 原子力による発電量は、「原発ゼロ」であった2014年度に比べると増えていますが、東日本(※1)の「原発ゼロ」は12年目です(2012年5月以降)。「核発電の再稼働・利活用は、原子力複合体(原子力ムラ)の思うように進んでいない」ように見えます。 ※1 電源周波数50Hz(ヘルツ)の北海道電力・東北電力・東京電力の管内を指す。核フリーとカーボンフリーは両立すべきもの 今後は、1.原発の発電量・発電比率を如何に低減できるか。2.自然エネルギーの発電量を如何に伸ばせるか。3.カーボンフリー(エネルギー供給源から炭素を排除)の為にも、石炭火力の発電量を如何に減らせるか。4.電力需要が「年間9000億kW」にどれだけ接近していくか(減少していくか)。 が注目点でしょう。 カーボンフリーと、核フリー(※2)は両立できる筈ですし、両立させなければいけません。「温暖化による環境破壊を防ごうとして、放射性物質による環境破壊を促進する」ことがあってはなりません。 ※2 「核フリー」は私の造語。「電源・エネルギー源として核技術を用いない」という意味。 尚、経産省は「バイオマス発電・廃棄物発電」を火力に分類しています。 バイオマスも廃棄物も、「燃やすもの=火力」ですから、私も、この分類には同意します。そのような理由で、上記のグラフでも、バイオマス・廃棄物発電は「火力」としています。 発電・需要量のグラフを見ていると、色々と書きたくなるので(笑)、私見はこの辺に留めます。春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF)