「パラサイト 半地下の家族」 【監督 ポン・ジュノ。2019年】
「半地下」というと、ドストエフスキーだったか誰かのロシアの小説にあった、地下室で働く人々がわずかな隙間から外の世界を見ている話を思い出す。「地下」と「貧しさ」はリンクするものらしい。 話はよくできている。謀略の限りを尽くして富豪の家に家族で規制するあたりは、「そんなにうまくいくかね」と思うが、なんとなくそんな疑問を押し切ってしまう。 いつその生活が破綻するのか、ということに興味が移っていくのだが、絶体絶命の危機を乗り越えたかと思うと思いがけない危機があり、さらに、まったく予想していなかった結末を迎える。 体に染みついたものから逃れることはできず、社会的な階層の違うものは同じ世界にはいられないのだ。 全編にエネルギーがあふれている。見応えがある映画だった。