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カテゴリ:宮澤賢治の世界
「雨ニモマケズ手帳」 塵点の劫をし過ぎて
本日まで平塚市美術館で「宮沢賢治展」が開催され、「雨ニモマケズ手帳」の本物が展示されていた。 この手帳は賢治の死後、大きな黒いトランクの内袋から発見された。 賢治は常に手帳を持ち歩いて、脳裏に詩が浮かぶたびに書きとめ、それは清書されたあと、破棄された。 そしてこの「雨ニモマケズ手帳」は死の直前まで書かれ、賢治の死によって稀有に遺されたものである。 この手帳のエンピツ差しに紙がはさんであり、それにも賢治の文字が記されていた。 塵点の 劫をし 過ぎて いましこの 妙のみ法に あひまつ りしを 「塵点(じんてん)の劫(こう)をし過ぎていましこの妙(たえ)のみ法(のり)に逢いまつりしを」と読むのであろうか。 「塵点(じんてん)の劫(こう)」とは、塵点の久遠劫、塵や砂のように数のいちじるいく多いことにたとえた表現で、常識を絶するような長い時間をいう。 仏教では、横と縦がそれぞれ40里、高さが40里の大きな石を、天女がその天の羽衣で3年に一度ずつ拭いて、その結果その大きな石が摩滅して全くなくなる、そのぐらい長い時間が劫である。 そして法華経では、「三千塵点劫」と「五百点劫」が説かれる。 法華経寿量品第16では、五百千万億ナユタアソウギ(無数)の三千世界を微塵にし、それを五百千万億ナユタアソウギの国ごとに一粒ずつ下して尽きるまで東に行き、さらにその経過したすべての国土を微塵にして、その一粒を一劫として数えた全体の数の時間をいう。 それほどの長い時間を過ぎて、今、この妙法蓮華経に出会えたという限りない喜びを記したのである。 賢治の作品はそうした深い信心の喜びの所産である。 そしてこれは法華経のお釈迦様の次の言葉に照応する。 我仏を得てよりこのかた 経たる所の諸の劫数 無量百千万億載阿僧祇なり 常に法を説いて 無数億の衆生を教化して 仏道に入らしむ 爾しより来無量劫なり 衆生を度せんが為の故に 方便して涅槃を現ず 而も実には滅度せず 常に此に住して法を説く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年11月04日 18時55分05秒
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