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テーマ:木谷ポルソッタ通信より(130)
カテゴリ:木谷ポルソッタ倶楽部ほか
平成16年第530号 平成16年2月19日号発行
家族ふれあい新聞 ●木谷ほのぼの通信 心が温まる話は「ほのぼの」と疲れた心を癒してくれます。 最近、本やインターネットでそのような話を読むことが多くなりました。 すると、血液O型の私はみなさんへ教えたくなるのです。 う~ん、どうしようもない性分です。 ということで……「木谷ほのぼの通信」。 だから、私の創作ではありません。 すべて「原文」どおり、一部リズムを保つために改変しています。 これは、大分市在住の中野 茂子さんが書かれたものです。 【バスと赤ちゃん】 東京にいた、今から十六年前の十二月も半ば過ぎたころのことです。私は体調を壊し、週二回、中野坂上の病院に通院していました。 その日は今にも雪が振り出しそうな空で、とても寒い日でした。昼近くなって、病院の診察を終え、バス停からいつものバスに乗りました。バスは座る席はなく、私は前方の乗降口の反対側に立っていました。 車内は暖房がきいて、外の寒さを忘れるほどでした。 間もなくバスは東京医科歯科大学前に着き、 そこでは多分、病院からの帰りでしょう、どっと多くの人が乗り、あっという間に満員になってしまいました。 立ち並ぶ人の熱気と暖房とで、 先程の心地よさは一度になくなってしまいました。 バスが静かに走り出した時、後方から赤ちゃんの、 火のついたような泣き声が聞こえました。 私には、人で見えませんでしたが、ギュウギュウ詰めのバスと、人の熱気と暖房とで、小さな赤ちゃんにとっては苦しく、泣く以外に方法がなかったのだ、と思えました。 泣き叫ぶ赤ちゃんを乗せて、バスは新宿に向い走っていました。バスが次の停留所に着いた時、何人かが降り始めました。 最後の人が降りる時、後方から、「待って下さい。降ります」と若い女の人の声が聞こえました。 その人は立っている人の間を、かきわけるように前の方へ進んで来ます。その時、私は、子供の泣き声がだんだん近づいて来ることで、泣いた赤ちゃんを抱いているお母さんだな、と分かりました。 そのお母さんが運転手さんの横まで行き、お金を払おうとしますと、 運転手さんは、「目的地はここですか?」と尋ねています。 その女性は、気の毒そうに小さな声で、 「新宿までなのですが、子供が泣くので、ここで降ります」と答えました。 すると運転手さんは、その女性に言いました。 「ここから新宿駅まで歩いて行くのは大変です。 目的地まで乗って行って下さい」 そして急にマイクのスイッチを入れると話し始めました。 「皆さん!この若いお母さんは新宿まで行くのですが、 赤ちゃんが泣いて、皆さんにご迷惑がかかるので、 ここで降りると言っています。 子供は小さい時は、泣きます。赤ちゃんは泣くのが仕事です。 どうぞ皆さん、少しの時間、赤ちゃんとお母さんを一緒に乗せて下さい」 私はどうしていいか分からず、多分みんなもそうだったと思います。ほんの何秒かが過ぎた時、一人の拍手につられて、 バスの乗客全員の拍手が返事となったのです。 若いお母さんは、何度も頭を下げていました。 3月1日北海道からTさんがわざわざ訪ねてくれて、共通の友人の木谷文弘さんを偲んだ。 地下鉄に乗ろうとするとき、ちょうどラジオが受信するような不思議な感覚があった。 「きっと木谷さんは自分のことをこうやって話しているのを喜んでくれてるかもね・・・」とTさんに話したものである。 北国の友はろばろと訪(おとな)いぬ 畏友偲べば涙こぼるる お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年03月15日 23時24分40秒
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