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2012年07月15日
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p231-232

対談

マクスミリアン2世(以下「王」)「スチュアート家は、それの陥った運命が当然の報いであると見られるほどの過失を犯したのだ、といってよいであろうか。」

ランケ「チャールズ1世は、普通に言われているよりはるかに善良な人物であった。彼は少なくともなお、王権の何たるかを知っていた。しかし彼があまりに左顧右眄したこと、これが彼の第一の過失であった。

これに対してジェームズ2世に関してはわれわれは、彼は自己の全立場を見誤り自身の不幸を呼び起こしたといい得る。もし彼にして広く全般的に英国中にカトリック教を導入しようなどとせずーそのような事は全然彼の任ではなかった。ー審査令廃止の適当な時期が到来するまで英国諸方をそのまま存続せしめて置いたとすれば、おそらく彼は王位を保つことができたであろう。これに比すればチャールズ2世ははるかに道徳の点において劣り、かつ不確実な人物であって、チャールズ1世のように王権の何たるかを知ることは全くなかった。しかもその彼とても、人々の言うほど悪い一方の人間ではなかった。人々は、彼は身も心もルイ14世に売り渡し、後者より金を仰いだといって彼を責めるけれども、この非難の後の部分すなわち金を受取るということは、同じく英国議会、いな英国における最も過激な民主主義者にもあてはまるのである。享楽癖こそチャールズ2世の最大の欠点であった。

 

王 われわれはチャールズ1世の目指していた目標をも非難することが出来るであろうか。

ランケ その通り、彼の目標もまた間違っていた。彼は議会無しの政治を為すべきでなかった。しなわち合法的状態を回避すべきでなかった。しかしその他の点においては彼は、自国の宗教を変更しようとしたのもなく、むやみに議会廃止を強行しようと欲したものでもなく、ただ議会召集が王の恩恵に依拠するものなることを声明したに過ぎなかったのであるから、ジェームズ2世ほど極端に走ったわけではない。後に至って彼は、議会の諸権利を喜んで承認する気持ちにさえなったのであるが、その時は無論もはや遅すぎた。






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最終更新日  2012年07月15日 15時29分50秒
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