GAIA

バス停で○○さんと一緒になったので話す。

「○○さん、木村政彦って知っています？」

「いえ、知りません」

「不世出の柔道家で、全日本柔道３連覇、十年間無敗という『木村の前に木村なし　木村の後に木村なし』という柔道家です。」

○○さんは、それでという顔をしている。

「木村政彦は熊本の柔道の名門の鎮西中学の出身で、全国優勝するなどその実力がずばぬけていたので、早稲田・明治・慶応とか多くの大学から学費免除でスカウトに動いたが、母校の先輩牛島辰熊が柔道の指導をしている拓殖大学に進学します。

　５段の昇段試験があって、8人抜きして9人目に敗れた。「技量抜群」ということで、当然昇段するのですが、師匠に呼ばれる。

　褒められるかと思ったら、鉄拳をくらった・・・」

○○さんは　へーー、何で？　と聞き入ってくる。

「柔道は殺し合いと同じだ、お前は8人殺して、９人目で殺されたんだ」　と師匠は言うのです。

牛島辰熊も全日本選手権二連覇、その闘志たるやすざまじく、試合中眼球を損傷しても試合を続行し、猛虎として恐れられた当時最強の柔道家でした。

　それから　木村政彦のすざまじい稽古人生が始まるまわけです。

　うさぎ跳び一キロ、腕立伏せ千回、大木への打ち込み千回、人の三倍練習し、3時間の寝ている時間も惜しいと稽古に打ち込み新しい技を開発する。・・・」

　バスが来て、一緒に乗り込み、後部座敷で話を続ける。

「それを12月15日、五日市剛さんの講演会の最後にビデオ見せられましてね。

『このビデオを見たプロスポーツの選手でその後、連戦連勝した人が大勢います』とおっしゃいましてね、

その話をテニスを指導している○○さんに話したら、そのビデオ見れますか？と聴くから

『動画で見れるはずですよ』　『ユーチューブで？』『たぶん』と話したところです」

○○さんが少し笑う。

君は木村政彦を知っているか　8-1

 http://www.youtube.com/watch?v=JzitL_UOd6M

木村は大正６年（１９１７年）熊本県川尻町に生まれた。

木村政彦「柔道のためなら死んでもいいという覚悟で精進しました」 

「当時他の人は一日３時間くらい練習していた。だから人の倍６時間くらい練習すれば選手権は取れると思った。けれどもあいつに何とか勝とうと相手が６時間練習すれば勝負はわからない。だから人の３倍９時間練習しました」

五日市さんがなぜそんな話をしたかというと、

「感謝」と「努力」の円の交わるところに　ツキ　が生まれる。

両方を大きくしなければならないということなんですね。

そして　私たちの　感謝　や　努力　をもっとレベルアップしなければならないということです。

まあ、木村先生のような　努力　は誰もができることではないけれども

「感謝」のレベルアップは、誰もが死ぬまでやれることでしょうね。

今、ここ　にあることに　この上もない感謝をすることは。

君は木村政彦を知っているか　8-2

http://www.youtube.com/watch?v=1Lq3ddb3NkI

全日本柔道初優勝後　「いつでも死ねる」と腹の皮一枚切った。

 君は木村政彦を知っているか　8-3

http://www.youtube.com/watch?v=YDHrgQyU8cY

「木村の柔道は　命をかけた武の道　であった」

「今まで一度も褒めてくれたことのなかった先生が（天覧試合優勝で）始めて褒めてくれた」

君は木村政彦を知っているか　8-4

 http://www.youtube.com/watch?v=649mGMM_ZaA

君は木村政彦を知っているか　8-5

http://www.youtube.com/watch?v=V3l_HWIdi-c

エリオ・グレーシー完膚なきまで破って相手を賞賛する。

「なんという闘魂の持ち主であろう。腕が折れても骨が砕けても戦うとは」 

君は木村政彦を知っているか　8-6

 http://www.youtube.com/watch?v=JKqrHLSMMpg

君は木村政彦を知っているか　8-７

 http://www.youtube.com/watch?v=POgQkQN4_os

君は木村政彦を知っているか　8-８

http://www.youtube.com/watch?v=Tynwi841XME

師匠牛島は木村政彦を訪ねて旧交を温めた。そして師匠は言った。

「主（ぬし）はやっぱり柔道に戻ったほうがよかろう。」