報徳記巻の５【十】三幣某先生の言に従はずして遂に廃せらる　その９

2015年12月28日

報徳記巻の５【十】三幣某先生の言に従はずして遂に廃せらる　その９

　然(しか)れども一身(しん)を抛(なげう)ち忠(ちゆう)を尽(つく)し、自(みづか)ら節(せつ)倹(けん)を行(おこな)ひ一藩(ぱん)に先(さき)立(だ)ち艱(かん)苦(く)を嘗(な)め音(いん)物(もつ)の道(みち)を断(だん)じ、廉(れん)潔(けつ)正(せい)直(ちよく)を以(もつ)て上(じやう)下(げ)の為(ため)に力(ちから)を尽(つく)さば君(きみ)之(これ)を信(しん)じ、一藩(ぱん)も亦(また)其(そ)の徳(とく)を慕(した)はん。然(しか)るに子(し)知(し)らず識(し)らず奢(しや)侈(し)を生(しやう)じ栄(えい)利(り)を悦(よろこ)び、功(こう)を貪(むさぼ)り名(な)を求(もと)むるの事(こと)に流(なが)る。是(こ)の如(ごと)くにして永(なが)く此(こ)の職(しよく)に居(お)らんとする豈(あに)難(かた)からずや。早(はや)く一身(しん)を省(かへり)み音(いん)物(ぶつ)を絶(ぜつ)し倹(けん)を行(おこな)ひ前(ぜん)過(くわ)を言(ごん)上(じやう)して退(たい)勤(きん)を君(きみ)に請(こ)ふべし。

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最終更新日 2015年12月29日 01時41分55秒

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報徳記巻の５【十】三幣某先生の言に従はずして遂に廃せらる その９

報徳記巻の５【十】三幣某先生の言に従はずして遂に廃せらる　その９